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希少糖プロジェクト
代表 医学部4年 紀谷拓音さん(右)執筆者
副代表      関本さん (左)
(2020/6月)

香川大学で研究を進める「希少糖」について、地域の方々にわかりやすく伝えていきます。

香川大学の特色ある研究の一つに希少糖の研究があります。希少糖は自然界に約50種類存在しますが、その総量は糖全体の約1%に満たないと言われています。香川大学農学部の何森先生らの研究において試行錯誤を重ねた結果、希少糖の大量生産が可能になりました。またその後の研究により希少糖には様々な生理機能があることが分かっています。抗虫歯効果、食後血糖値上昇抑制作用、抗糖尿病作用が挙げられます。希少糖プロジェクトはこの希少糖に関する知名度の向上と正しい知識を広く普及させていくことを目的として活動を始めました。医学部サークルの学生研究サークルの活動の一環として行っています。活動のきっかけは、三木町で毎年開催される祭り「三木まんで願」での希少糖ブース出展のお話を頂いたことです。医学生である私達が希少糖の生理作用を理解し、地域の方々に説明することに意義があると感じ引き受けました。その時の活動が好評だったため、現在も活動を続けています。

このプロジェクトでは主に2つの活動をおこなっています。一つは先述の「三木まんで願」でのブースの出展です。ブースでは希少糖を実際に味見していただく『利き糖』と、希少糖に関する知識をまとめたポスターを見ながらそれに関するクイズに答えていただく『希少糖クイズ』を行いました。例年約300人の方が来場してくださり大盛況です。地域の人々と実際に交流しながら希少糖の紹介ができるためメンバーも楽しみながら活動しています。二つ目はSNSでの情報発信です。希少糖をより身近に感じてもらうために希少糖を使った料理の紹介や希少糖クイズの発信を行っています。

2s.jpg三木まんで願」出展ブース。毎年多くの方に来ていただき賑わいます。

4s.jpgポスターを見ながら真剣に希少糖クイズに取り組んでいただいています。

6ss.jpg熱心に質問をされる方もいらっしゃいます。ポスターを用いてわかりやすく説明することを心がけています。

7ss.jpg「利き糖」の道具。砂糖、ブドウ糖、果糖、プシコースを味見、それぞれの味の特徴を感じていただきます。

8s.jpg希少糖クイズの正解者に希少糖含有シロップをプレゼントしました。

5ss.jpg「利き糖」を準備。衛生面にも配慮して実施しています。

最初は希少糖に興味を持っていただけるのか不安でしたが、活動を始めると皆さんが真剣に私達の説明を聞いてくださりとても充実しています。また活動を続けていくうちに、私達自身が大きく成長させていただいていることに気付きました。特に医学部の学生で構成されるプロジェクトとしては将来必ず必要となるコミュニケーションスキルを磨けることは大きな収穫です。医療従事者と患者さんとの会話においては医療従事者には専門的な医学知識を誰にでもわかりやすく説明する力が求められます。プロジェクトの活動においても希少糖の専門的な健康増進作用などの知識をいかにわかりやすく説明できるかが重要です。このように知識の普及活動を通じて将来必要な能力の向上も実感しています。この機会を与えてくださったプロジェクトを支援してくださる全ての方々に深く感謝しております。

最近では食品表示基準の改正により希少糖の一種であるプシコースの0kcalの表示が認められました。これにより消費者への理解も深まり、今後さらに身近になっていくと思います。私たちの活動が少しでも貢献できるように今後も努力していきます。

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