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屋島山上ちょうちんカフェ
執筆者 経済学部4年
 大森皓太さん(前列中央)
(2019年)

屋島山上ちょうちんカフェは、屋島と讃岐ちょうちんの魅力発信を目的として2016年から活動を始めました。「屋島の夕夜景が活かしきれていない」、「香川の伝統工芸である讃岐ちょうちんが広く認知されていない」という現状を踏まえ、双方の魅力発信の手段として、カフェという場所づくりを行っています。

4度目となる2019年の開催にあたって、ちょうちんカフェをこれまでよりも良いものにするため、何が求められていて、自分たちはどう応えたいのか、40人を超えるメンバーが、学年の垣根を超えて検討を重ねました。例えば、前年度のアンケートに寄せられた「もっとボリュームのあるメニューが欲しい」という意見に対して、スタッフの負担とお客様のニーズのバランスが問題となりました。メンバーが試行錯誤を繰り返し、2年目の大好評メニューであったキーマカレーをテイクアウト形式にして、スタッフの負担軽減とともに、お客様のニーズに応えました。また、ちょうちんカフェを運営する上で、全員が納得のいく意思決定のプロセスや結論の出し方など、中々うまくいかなかったり、解決策を見出せず悩んだことも多かったです。しかし、より多くの方に楽しんでもらえるよう、全員で協同して準備を進めたことで、過去最高となる2,374名もの方々にお越しいただきました。加えて、「何度も来ているが、今までで一番良かった」といった声も寄せられ、みんなが一体となって屋島山上ちょうちんカフェを作り上げるやりがいや意義を深く感じました。

4 .jpegs.jpg和室に設けたちょうちんの間、最も夜景と灯りの魅力を感じてもらえる場所の一つです。

12-2DSC_0603s.jpgベーグルサンド二種[たまご、お肉](左上)、キーマカレー(右下)。開店後、即完売するほど好評いただきました。

また、準備から運営に至るまで様々な面でお世話になっている“れいがん茶屋”さんの大規模な改修工事が決まり、屋島山上ちょうちんカフェは一旦活動の節目を迎えることになりました。そして、4年間の活動実績をより一層多くの人に知ってもらうため、日本ホテル教育センター主催の学生観光論文コンテストに応募することを決めました。論文のテーマである「世界が訪れたくなる観光立国ニッポンを目指して、私の提案」について、どうすれば効果的な提案ができるか検討を重ねました。ちょうちんカフェでは、「屋島」と「讃岐ちょうちん」という異なる分野の魅力を融合させ、魅力発信をしてきたこと、屋島が瀬戸内海国立公園に位置していることを踏まえ、利用者が減少傾向にある国立公園の利活用について執筆することとなりました。4年間の来客者アンケートの分析やこれまでの経験に基づき異分野の資源を結び付けた国立公園の利活用について、屋島山上ちょうちんカフェがモデルケースとなれるよう心掛けました。データ分析や論点の整理など、論考が進まず苦労したこともありましたが、西成典久教授を始め、ゼミのメンバーと協力することで、コンテストにおいて最優秀賞を頂くことができました。

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屋島山上ちょうちんカフェを通して、たくさんの経験をしてきましたが、どれも一人では成しえないものばかりでした。多くの人と関わり、時に意見を衝突させながら活動に取り組むことで、人間的に大きく成長できたと感じています。今後も屋島と讃岐ちょうちんの魅力をより多くの人に知ってもらえるよう、メンバー一同活動に邁進してまいります。

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