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企画展「現点」は造形・メディアデザインコースの「立体表現演習ⅡB」という授業の通し課題として行われた展覧会(2021年3月3日〜8日)です。「作品を作り、それらを展示するための展覧会を企画し、大学外に発表する」という授業内容に興味を持った創造工学部 造形・メディアデザインコースの3年生10人が、各々の作品制作と企画展の運営を行いました。―これまでとこれからの間で― をテーマとし、「これまでのことをどのようにこれからに繋いでいくのか」について、10人それぞれが香川大学でデザインやアートを学ぶ意味を考えながら、作品に落とし込む形で制作活動を行いました。

企画展を開催するために、代表や副代表、会計などの役職を全員に割り振り、会場の手配や広報活動、当日の運営まで学生で行いました。1期生であるため前例もなく、一から自分たちで考え、作り上げていきました。 私は広報を担当し、SNSの運営やポスター作成など今回の企画展の開催を、より多くの人に知って、訪れてもらうために活動しました。特にポスターの作成ではどのような形にしたらメンバーが思っている「現点」のイメージを見た人に伝えることができるか、どのようにしたらポスターを見た人が「現点」に興味を持って訪れてくれるかを考えながら広報を担当した他のメンバーと作成しました。他のメンバーからのアイデアや考え方を聞くことで新しい発見が多くありました。また、お互いが遠慮することなく意見を言い合えたことで最後まで妥協することなく、面白いポスターを作ることができたと思います。

今回「現点」を行うにあたり「史跡高松城跡玉藻公園 披雲閣」を開催場所として使わせていただきました。披雲閣は玉藻公園内にある建物で、重要文化財であるため普段は一般公開をしていない建物です。今回、メイン会場として披雲閣の中で最も広い大書院という部屋を借りました。その中でどのような順路で作品を見てもらうのが良いか、一つの作品に人が集まりすぎないようにするにはどのような導線をつくると良いかなど、作品の配置について工夫しました。

「現点」は造形・メディアデザインコース以外の人に見てもらうという点が今までの授業と特に違ったところだと思っています。作品を作るだけでなく、それをどのような方法で発信するか、どのような表現で伝えると良いかを考えさせられた授業でした。また、実際に展示を行い、人に見てもらうことで気づけることや学びがありました。

企画展「現点」を一つの経験として、自分の作品を人に伝えること、表現することについてさらに考えていきたいと思います。         

創造工学部 3年 土手菜摘

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完成したポスター/鉄球と手は実際に撮影。鉄球は私たちが入学して初めて作った原点といえる作品です。こちらをモチーフとしてポスターを作成しました。

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ポスターは現点のイメージを左右するため何度も話し合って作成しました。予算や部数の関係から「2種類のチラシを組み合わせることでポスターとしても使えるデザイン」というコンセプトから考えていきました。

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Webページ用の写真を先生に撮影していただきました。より良い写真スポットを探して大学内を歩き回りました。先生がノリノリで一人ひとりの写真を撮影されていたのが印象深いです。

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披雲閣の方への挨拶と会場の視察に行きました。私はこの時に初めて披雲閣の中に入りました。この時はまだ作品制作を行っていなかったため、会場の規模や雰囲気から作品を考えていきました。

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作品の搬入では建物に傷をつけないための工夫を行いながら展示をしました。実際に実物を置きながらより良い配置を考えていきました。

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受付ではポスターと会場案内を配布。帰る際に企画展の感想を話してくださる方もおり、楽しくお話を聞かさせていただきました。自分たちの作品がどのように見えているのかを聞けるチャンスは、なかなかないため良い機会になりました。

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私は共同制作で古民家カフェの提案を行いました。古民家についての調査を行い、四国村で実際に古民家を見ることから始めました。これまでに大学で習ったことも参考にしながら、新しいことにも挑戦することができました。

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新しい和菓子の提案をした作品です。机や座布団を使い、披雲閣の雰囲気も相まって実際にお茶に呼んでもらったような気持ちで見ることができる作品でした。メンバーは実際に作った和菓子の試食もさせてもらいました。

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高松を舞台に撮影した写真を展示した作品です。障子に写真をはめ込み、展示方法としても披雲閣の特徴を活かした面白い展示でした。

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手前/正四面体を連ねることで石垣に見せた作品。会期中も形を変え、6日間を通して見たときにも面白い作品でした。今も変化しています。奥/うちわだけを使って作られた作品。本当にうちわしか使っていないのかと思うほどの迫力でした。

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玉藻公園を遊園地に見立てたアニメーションの作品です。香川の伝統的なことと未来を掛け合わせたような可愛くて面白い作品で座布団に座っていつまでも見ていられるような作品でした。

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作品を見ている人の中には椅子に座って写真を撮っている人や説明のボードをじっくりと見ている人がおり、楽しみ方は人それぞれだなと感じました。また、知らない人に作品を見てもらうことは初めてだったため新鮮な気持ちになりました。

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ろくろよりも簡単に陶器を作ることができる板づくり体験。好きな形の型を選び、絵を描いていただきました。大人から子供まで多くの人に楽しんでもらいました。


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土日限定で行ったろくろ体験のワークショップ。初めてろくろを触るという人にも楽しんでもらえるように試行錯誤。学生がサポートし、思い思いの陶器を作ってもらいました。

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企画展「現点」のメンバー10人と倉石教授(左から5人目)とともに、今回のキュレーターを務めた谷口さんを中央に記念撮影。