香川大学長 筧 善行
President Kakehi Yoshiyuki
香川大学は6学部6研究科において約5,700名の学部学生と約800名の大学院生を教育しています。
さかのぼること1949年に、高松経済専門学校を母体にした経済学部と、香川師範学校、香川青年師範学校を母体にした教育学部の2学部からなる香川大学が誕生しました。その後、1955年に農学部、1981年に法学部、1997年に工学部が設置されました。2003年には香川医科大学と統合し新香川大学となり、さらに国立大学法人法の制定に伴い2004年に国立大学法人香川大学となって現在に至っています。
香川大学では2018年度に様々な学部改革を行いました。まず、工学部を母体に創造工学部を開設し、ユーザーの視点に立った価値創造の出来る感性豊かな工学系人材の育成を行っています。経済学部は1学科5コース制に改組し、経済、経営、金融など基盤的経済学分野のほかに、観光を起点にした地域振興やグローバル化時代に活躍する課題解決能力の高い人材育成を行っております。医学部には国立大学医学部としては初めて臨床心理学科を新設しました。一方、大学院に関しては、2022年度に法学研究科、経済学研究科、教育学研究科の一部と工学研究科を統合した「創発科学研究科(修士課程)」を開設しました。地域の活性化から地球規模の課題解決に至る様々なテーマに関して文系、理系の教員研究者が専門分野を超えて教育・研究を展開しております。このほか、医学系研究科では2020年度に臨床心理学専攻(修士課程)を開設し、医学部臨床心理学科と連携し国家資格である公認心理師取得を目指した人材育成を行っております。看護学専攻では2022年度から博士後期課程を開設いたしました。農学研究科は2018年度に大幅な改組を行い、香川大学の誇る希少糖研究で得た研究開発の哲学を学びながら、生命・生物、環境、資源などの幅広い科学分野で人材育成を進めています。
寿命が延伸し、人々のライフプランも多段階で計画する必要が出てきています。一旦社会に出られた方々も学び直しの必要性が高まっております。香川大学大学院では地域マネジメント研究科において多数の社会人経営修士学生を輩出してきましたが、創発科学研究科、医学系研究科や農学研究科、教育学研究科高度教職実践専攻においても社会人の皆様に大きく門戸を開き、学び直しをしていただける環境を整えております。地球温暖化による気候変動の激化、新型コロナウイルスなどの新規感染症によるパンデミックなどのグローバルなリスク、世界各地で頻発する国際紛争などの地政学的リスク、そして少子高齢化と人口減少、首都圏一極集中に伴う地方の衰退などの国家的リスクといった予測不能で複雑かつ複合的なリスクに我々はさらされています。香川大学は地域の知の拠点として産業界や自治体、地域コミュニティと協働し、様々な背景を持つ研究者の「つながり・結合」により、未体験の価値を創出し、強靭で幸福感に溢れた地域社会の構築に貢献する人材の育成と研究を推進しております。
令和4年7月
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