ほーぷバーガーの店舗は東植田町にある「麦縄の里」という場所にあります。コーヒー屋、カヌレ屋、そうめん屋、おにぎり屋、雑貨屋などがあり、つくり手の顔が見え、こだわりのあるお店が集まっています。写真は里にある建物の一つ。こちらの左端に、ほーぷバーガーはあります。

皆さんは、「ほーぷバーガー」というハンバーガーショップを知っていますか?私はほーぷバーガーの代表です。ほーぷバーガーでは牛肉や卵などの動物性食品を使わず、豆腐や玄米などの植物性の食材のみでハンバーガーを作っています。私がこの店を始めたきっかけは、大学2年時に、所属している学生団体でボランティア活動のためにカンボジアへ行った際、目の当たりにした世の中の不平等に大きなショックを受けたからです。その時にカンボジアで実際に話した小学校4年生は、生きていくために毎日ゴミを拾って生活していて、十分な教育を受けることも難しいと話してくれました。この話を聞き、私がそれまで日本で住んできた生活環境とはかけ離れておりショックを受けたので、そのような格差是正に取り組みたいと思いました。

その後、帰国し、大学の友人とSDGsについて議論する機会があり、気候変動から生じる環境問題を知りました。気候変動の要因として二酸化炭素などの温室効果ガスによって地球の温度が上昇するということがあります。最近では、気候変動が原因で起こったオーストラリアの森林火災で、たくさんの動物や人間が亡くなり、日本においても集中豪雨などの被害が増加しています。また気候変動の原因となる温室効果ガスの排出量は日本などの先進国が大半を占める一方で、排出量が少ないカンボジアのような発展途上国が最初に環境問題の甚大な被害を被ります。

このようなことから私がカンボジアで強く感じた世の中の不平等を再度感じ、気候変動から生じる環境問題に取り組みたいと思いました。そしてその方法として、まずは気候変動が起こる原因について、たくさんの人に知ってもらうことが大事であると考えました。なぜなら香川の地ではその原因を知っている人が少ないと感じたからです。当初は友人に直接伝えたり、SNSで発信したりしていましたが、効果はあまりありませんでした。そして別の方法を考えていたときに、牛肉が気候変動を引き起こす一因になっているということを知りました。牛のゲップには温室効果の一因となっているメタンガスというものが含まれているからです。

そうだとすると大人も子ども馴染みのある牛肉料理を、あえて環境負荷が低い植物性の食材のみで作り提供し「なぜこのハンバーガーはお肉を使っていないのか?」と疑問を持ってくれる方々を増やし、その上で自分の想いを伝える方が効果的であるという考えに至りました。そこで今年の5月からハンバーガーショップを立ち上げました。今、気候変動が起こる原因をたくさんの人に伝えることができているという手応えを感じています。今後は気候変動の原因となる衣類や農業などからも取り組んでいこうと考えています。最後になりましたが、是非一度私の想いが詰まったほーぷバーガーを食べにきてください。

法学部4年 沖田竜太郎

kg202112_2.jpgほーぷバーガー 豆腐や玄米などの植物性の食材のみで作っています


お店を始めてから、食べるということは「未来を創る」ことだと思うようになりました。消費者が食べものを買う→消費者が事業者にお金を払う→事業者は事業を継続できる→事業者の目指す未来や社会を創ることができる。消費者は買い物をすることで、事業者が実現したい未来に投票したことになると思うのです!!


自慢のほくほくフライドポテト 日頃食べている野菜をどんな人がどんな思いでどのように作っているのかを五感を通じて体験していただきたいと思い、ジャガイモの収穫体験&試食会というイベントも行っています。

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香川県産のレモン・オーガニックスパイスを使用した自家製クラフトコーラ

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ほーぷバーガー副代表の中島悠香梨(左)と沖田竜太郎(右)

環境問題を考えるうえで、毎月、ビーチクリーンを行っています。8月に開催したビーチクリーンでは、予想以上にゴミがありました。ビーチクリーン自体は30分ほどしかしていないのですが、ゴミ袋20袋以上集まりました。ゴミの内容は、紙オムツ・バーベキューセット・ペットボトル・発泡スチロール・ハンガー・野球ボール・タバコなど、日用品類とおそらく海辺で遊んだ人が片付けをしていないんだなーと思うものでした。 海ゴミの一つの問題として海洋プラスチックごみが劣化し、細分化した約5mm未満のプラスチック(マイクロプラスチック)を海中の魚が食べ、その魚を人間が食べることによって、有害物質を吸着したマイクロプラスチックが食物連鎖に取り込まれていることが指摘されています。ゆえに、日々の選択、行動が最も大切なことなんだなと改めて思いました。

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同世代の仲間達と立ち上げた「FRESHWISH」というプロジェクト。20代以下の方を対象に選挙投票に行った証明となる写真や証明書を対象店舗で見せていただくことで限定サービスを受けることができるというものです。このプロジェクトを行おうと思った理由は、「選挙ないし政治は自分の生活につながっているし、自分の未来にもつながっているから大切にすべきだ」と思ったからです!入り口は、選挙に行ったら何かサービスを受けられるということですが、目指しているのは、「自分一人が選挙に行ったところで社会は何も変わらない」、「日常生活に政治が関連づいていることがないので、そもそも政治に関心がない」というところを変えることです。私は「自分の理想とする社会のために、政治を自分ごととして考えて投票する」ことは大切であると考えています!その第一歩として、「投票する」という体験をすることが大切だと思っています。