katsuyaku_egou_top.jpg香川大学防犯パトロール隊
執筆者 法学部3年 江郷颯人さん (左端前から3番目)
(2019年2月)

香川大学防犯パトロール隊は、学生だけで立ち上げた全国でも珍しい防犯ボランティア団体です。大学生の若さ・機動力を生かして、犯罪の被害にあう人を少しでも減らしたい、地域に安心感を与えたいという思いで発足しました。

主な活動のひとつはホットスポットパトロールです。これは、「犯罪が発生しやすい場所」を意味するホットスポットを重点的に巡回するもので、犯罪抑止効果が非常に高いとされており、私たちは夜に実施しています。
パトロール中にあったエピソードとして、自転車の二人組に声をかけようとすると、突然逃げ出したため追いかけたところ、その自転車が盗難品だったことがあります。不審者に遭遇することもあるため、パトロール時には班で行動し、班ごとに「班長」「通報員」「証拠記録員」などの役割分担をして、瞬時に対応できる体制を整えています。また指令本部を林町キャンパスに設置し無線機を装備するなどして有事の際に備えています。

12s.jpgゴミが散らばっている・・・ホットスポットを発見

13s.jpg隊員に無線で連絡 指令本部は林町キャンパスにあります

日中は、登下校の見守りパトロールをしています。児童を狙った凶悪事件をきっかけに、こどもたちを守る活動をするべきだと思い、大学周辺の小学校や香川県と連携して見守り活動を始めました。また、小学校に伺い、児童に対して防犯教室などの出前授業も行っています。さらに、パトロールなどをただ行うだけではなく、犯罪心理学を研究する顧問の協力のもと理論面からも防犯について学んでいます。

いま、防犯ボランティアの世界は、高齢化と後継者不足が大きな問題とされています。ボランティア人口のうち大学生世代である若者が占める人口は、ほんのわずかです。それに加えて、私は認知度不足も感じています。防犯ボランティアと聞いて、パッとそのイメージが沸く人は多くはいないのではないでしょうか。そこで、大学生である私たちが、このさき何十年も活動を絶やさないようにすることが一番の使命ではないかと思っています。活動を続け、伝え続けることで多くの方にこの活動を認知してもらい、また若い世代のボランティア人口の増加に貢献できればと願っています。

3s.jpg登校時のパトロール 交通量が多い交差点では立ち止まって見守ります

5s.jpg商店街の方と警察官との三者合同パトロールに出発

私たちの活動は成果が見えづらい活動です。
だからこそ、地域の方や立ち寄るお店の方からの感謝の言葉や励ましの言葉が何よりも原動力となっています。また、新聞やテレビなどでも20回近く取り上げていただいており、誇りを持って活動ができています。そしてこれらの活動が評価され、なんと隊長である私は東京2020オリンピックの聖火ランナーに選ばれました。これからも、常に注目されるパトロール隊であり続けられるよう、隊員一同頑張ってまいります。

6s.jpg見守りパトロール中、取材を受けました