工学研究科の教育理念

 香川大学大学院工学研究科は、科学技術の各領域における進歩に寄与する専門性と、社会・地域・地球環境に与える影響を総合的に捉えうる学際性を併せ持ち、従来の工学の枠組みに囚われることなく、人間・社会・自然・人工物という工学の対象をグローバルな視点から正しく理解し、高い倫理観と多角的視点を持った新しい高度専門技術者を育成することを目指します。

工学研究科博士前期課程の3つのポリシー

ディプロマ・ポリシー(修了の認定に関する方針)

 香川大学大学院工学研究科では、その教育理念に基づき、科学技術の各領域における進歩に寄与する専門性と、社会・地域・地球環境に与える影響を総合的に捉えうる学際性を併せ持ち、人間・社会・自然・人工物という工学の対象をグローバルな視点から正しく理解し、高い倫理観と多角的視点を持った新しい高度専門技術者を育成します。
 本研究科を修了し、本学が送り出す修士(工学)の身につけるべき能力・態度の到達基準は、次のとおりです。

①専門知識・理解
*自然科学の理解を基盤として、それぞれの専門分野に関する高度な知識・技術を習得している。

②研究能力・応用力
*課題探求能力と高度な問題解決能力を有している。
*持続可能な社会の実現を推進するための実践的能力、学際的な発想力を有し、必要に応じてチームの一員として能力を発揮することができる。

③倫理観・社会的責任
*社会や科学技術の発展に貢献するために、技術者としての広汎な知識と普遍的倫理観を有している。

④グローバルマインド
*論理的、学際的な思考を行い、それを広くグローバル社会に説明し、議論することができる。

カリキュラム・ポリシー(教育課程の編成及び実施に関する方針)

 香川大学大学院工学研究科博士前期課程では、修了の認定に関する方針(ディプロマ・ポリシー)に示した人材を育成するために、共通科目(4単位以上)、専攻専門科目(12単位以上)、自由科目(6単位以上)、特別研究Ⅰ(4単位)、特別研究Ⅱ(4単位)から構成される教育課程を編成・実施します。修了要件は、上記30単位以上の修得し、かつ、必要な研究指導を受けた修士論文の審査及び最終試験に合格することです。開設授業科目はシラバスに明示された多様な形式により行われます。なお、共通科目の中には大学院教養科目が含まれており、「工学英語」、「研究倫理」、「国際・技術戦略論」、「香川地域ものづくり概論」、「工学概論」、「危機管理学」、「特別研修」及び「エンジニアリングマネジメント」などが該当します。
 ディプロマ・ポリシーの各項目の達成は、大学院教養教育科目を含む以下に示す体系的教育をもって実現します。

①専門知識・理解
 1、2年次の共通科目では工学分野における共通の知識を、専攻専門科目ではそれぞれの専門分野に関する高度な知識・技能を身につけます。

②研究能力・応用力
 1、2年次を通して「特別研究Ⅰ」、「特別研究Ⅱ」では、課題を整理し、解決方法の提案と、検証方法の探索・決定、分析・解析を経て一定の結論を導く過程を学びます。

③倫理観・社会的責任
 1年次の「研究倫理」では、健全な研究活動の進展のために、研究者の行動規範となる研究倫理を身につけます。1年次の「危機管理学」では、自然災害などによって致命的な状況に至ることを回避・予防し、被災した場合にも被害を最小限に止める能力を身につけます。1、2年次の「香川地域ものづくり概論」、PBL(Project Based Learning)型の講義である「エンジニアリングマネジメント」、インターンシップ実習を行う「特別研修」では、官民が抱えている課題を整理し、その社会的責任について実践的に学んでいきます。

④グローバルマインド
 1年次に開講される「工学英語」で実践的なスキルを身につけます。1年次に開講される「工学概論」では一部が英語で行われます。1、2年次に開講される「国際・技術戦略論」では、様々な工学分野の国際的開発状況などを知ることにより、技術戦略の国際的視点を身につけます。1、2年次の「海外特別研修I」、「海外特別研修Ⅱ」では、国際インターンシップ協定校を通じて海外研修を行います。これにより、実践的なグローバルマインドを身につけます。

 以上の学修成果は、シラバスに記載している方法によって、各授業科目の到達目標の達成度で評価します。

<研究計画の遂行に対する指導及び学位論文の評価>
 研究指導は、本研究科が作成する「研究指導計画」に基づいて実施します。
 1、2年次を通して研究室単位で行われる修士論文作成は、自らの専門に関わる課題を整理し、解決方法の提案と、検証方法の探索・決定、分析・解析を経て一定の結論を導きます。これらを修士論文にまとめることで高度な問題解決能力を養います。さらに、修士論文の研究を通じて、持続可能な社会の実現を推進するための実践力、学際的な発想力を培い、必要に応じチームの一員として能力を発揮することを身につけます。
 1、 2年次の修士論文における研究を遂行する中で、技術者としての普遍的倫理観を身につけます。
 修士論文は、本研究科の定める学位論文審査基準に基づき、本研究科で選出された審査委員(主査1名、副査2名以上、学外審査員を含むことができる)により厳格な審査及び学位論文発表会において最終試験を実施し、学位論文としての合否判定を行います。

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アドミッション・ポリシー(入学者の受入れに関する方針)

◇入学者に求める学力・能力・資質等
 大学院入学までに、以下のような学力・能力・資質等を備えている学生を求めています。

①知識・技能・理解力
*工学・自然科学に関する大学卒業程度の基礎知識・技能・理解力

②思考力・判断力・表現力
*自らの論理的思考・判断に基づいて、工学・自然科学に関する諸課題を解決するための方策を説明できる表現力

③研究能力・応用力
*自らの専門知識・技能を用いて、工学・自然科学に関連する研究を遂行するための研究能力と応用力

④探求心・意欲・態度
*工学・自然科学に関する諸分野について学び、研究に積極的に取り組むための強い意志・意欲・態度と新しい技術の創造により豊かな社会を築くための探求心

⑤倫理観・社会的責任
*工学・自然科学に関する広い知識と普遍的な倫理観を具備し、研究者として、社会の構成員としての自覚を持ち、自らが果たすべき社会的責任を理解できる能力

⑥グローバルマインド
*工学・自然科学に関する国内外の情報を理解するための外国語の運用能力と、工学領域の諸課題について多角的な視野を持って解決し、社会をリードできるグローバルマインド


◇選抜方法の趣旨
博士前期課程
○推薦選抜
 英語能力の評価、口述試験及び成績証明書等の書類審査により、大学院で学ぶ上で必要となる基礎学力及び工学・自然科学分野の専門的な知識に関する習得の程度を評価します。英語については、提出された英語能力テスト(TOEIC又はTOEFL)のスコアにより、修学に必要な言語運用能力を評価します。口述試験では、出願時に提出された志望理由書に基づき、工学技術者・研究者としての資質、研究に対する意欲・心構え、工学技術者・研究者としての論理的思考能力、研究分野に関する専門知識の習得の程度を評価します。

○一般選抜
 筆記試験、英語能力評価、面接及び成績証明書等の書類審査により、大学院で学ぶ上で必要な基礎学力、工学・自然科学分野の専門的な知識に関する習得の程度を評価します。筆記試験の問題は、進学を志望する専攻の専門分野から出題し、修学に必要な知識・理解力、論理的思考能力・表現力を評価します。英語については、提出された英語能力テスト(TOEIC又はTOEFL)のスコアにより、修学に必要な言語運用能力を評価します。面接は、口頭試問を含んでおり、出願時に提出された志望理由書に基づき、工学技術者・研究者としての資質、研究に対する意欲・心構え、工学技術者・研究者としての論理的思考能力、研究分野に関する専門知識を評価します。

○社会人特別選抜・外国人留学生特別選抜
 口述試験及び成績証明書等の書類審査により、大学院で学ぶ上で必要な基礎学力及び工学・自然科学分野の専門的な知識に関する習得の程度を評価します。口述試験では、出願時に提出された志望理由書に基づき、工学技術者・研究者としての資質、研究に対する意欲・心構え、工学技術者・研究者としての論理的思考能力、研究分野に関する専門知識を評価します。なお、外国人留学生特別選抜の口述試験は、英語又は日本語で行います。

博士後期課程
○一般選抜・社会人特別選抜・外国人留学生特別選抜
 出願書類及び口述試験により、大学院で学ぶ上で必要な基礎学力と工学・自然科学分野の専門的な知識に関する習得の程度を評価します。口述試験は、「研究計画書及び研究業績調書等の資料」に基づき実施し、「これまでの研究内容及び計画」についてのプレゼンテーションを依頼し、工学技術者・研究者としての資質、研究に対する意欲・心構え、論理的思考能力、研究計画の内容及び研究を遂行するための能力を評価します。