地域マネジメント研究科の教育理念

 わが国全体の活力を上げるために、各地域がグローバルな視野を持ちながら、地域の資源を活用して発展していくことが求められています。また、地方分権の一層の進展が期待される中、官民が連携し地域を支え、地域が自立していくことが求められてきています。このような社会的要請を踏まえ、地域マネジメント研究科は、地域活性化に貢献する教育研究を通して、高い倫理観とグローバルな視野のもと、マネジメントや地域政策に関する能力を養うことで、高い志を持って地域を支え、かつマネジメントすることのできるリーダーを養成することを教育理念とします。
 具体的には、以下のような人材を育成することを目指します。
1.企業の創造的変革を先導し、グローバルな視野を持ちながら地域に貢献する「ビジネス・リーダー」
2.行政部門に新たな戦略と行動力をもたらす「パブリック・プロフェッショナル」
3.地域の人々を巻き込み、地域の個性を生かした地域振興を図る「地域プロデューサー」

地域マネジメント研究科の3つのポリシー

ディプロマ・ポリシー(修了の認定に関する方針)

 香川大学大学院地域マネジメント研究科では、その教育理念に基づき、地域活性化に貢献する上で必要な基礎及び専門知識を理論と実践のバランスを図りながら体系的に修得し、地域活性化に貢献できるプロジェクトや調査を企画・実行・発表する「総合力」を身につけ、高い倫理観と社会的責任のもと、国内外におけるマネジメントや地域政策の現場で活躍できる幅広い能力を備えた人材を育成します。具体的には、企業におけるビジネス・リーダー、行政におけるパブリック・プロフェッショナル、地域資源を活かして活性化を図る地域プロデューサーなど、地域新時代を拓くプロフェッショナルを養成することを目指します。  
 本研究科を修了し、本学が送り出す経営修士(専門職)が身につけるべき能力・態度の到達基準は次のとおりです。

①専門知識・理解
*定性的・定量的・数理的分析能力:社会一般の問題を定性的・定量的・数理的に分析し解決することができる。
*地域問題発見能力:四国地域を客観的に把握し当該地域が抱える具体的問題を見つけ出す能力を有している。
*基礎力:企業マネジメントと公共マネジメントで必要とされる基礎的知識及びその獲得能力を有している。

②研究能力・応用力
*応用力:地域活性化に貢献する上で必要な専門知識を理論と実践のバランスを図りながら体系的に修得し、その知識を個別分野及び個別地域における様々な課題に投影する際に必要となる応用的能力を備えている。
*実践的課題解決能力(総合力):地域活性化に貢献できるプロジェクトや調査を自ら企画・実行・発表するための実践的な課題解決能力(総合力)を備えている。

③倫理観・社会的責任
*地域活性化に貢献する専門的人材として、高い倫理観と地域の企業や行政が果たすべき社会的責任に関する自覚と理解を備えた上で、課題解決に必要な戦略や政策を立案・実行することができる。

④グローバルマインド
*地域資源を活用し発展させ、地域全体の活力を向上させるため、グローバルな視野に基づいた政策及び戦略を立案し提案できる能力を備えている。

カリキュラム・ポリシー(教育課程の編成及び実施に関する方針)

 香川大学大学院地域マネジメント研究科では、学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)に示した人材を育成するために、分析基礎科目(4単位以上)、地域基礎科目(4単位以上)、基礎科目(「研究倫理(1単位 必修)」を含む10単位以上)、応用科目(自由選択)、プロジェクト科目(8単位 必修)から構成される教育課程を編成・実施します。修了要件は上記科目40単位以上の修得およびプロジェクト研究の審査に合格することです。なお、大学院教養科目に相当する科目が地域基礎科目及び基礎科目に設定されています。地域マネジメント研究科では、地域活性化に貢献できる人材を養成するため、理論と実践のバランスを図りながら、多様な個別のニーズに柔軟に対応できる体系的なカリキュラムを構築しています。入学時から修了時まで、学生一人ひとりの研究・教育上の相談相手となる教員(1年次:アカデミック・アドバイザー、2年次:プロジェクト科目担当教員)を複数割り当て、支援を行うことで、学生の多様な問題意識や目的に対応した履修計画を適切にカスタマイズできる体制を構築しています。
 ディプロマ・ポリシーの各項目の達成は、以下に示した大学院教養教育科目を含む体系的教育をもって実現します。

① 専門知識・理解  
 「社会一般の問題を定性的・定量的・数理的に分析し解決する能力(定性的・定量的・数理的分析能力)」「四国地域を客観的に把握し当該地域が抱える具体的問題を見つけ出す能力(地域問題発見能力)」「企業マネジメントと公共マネジメントで必要とされる基礎的知識及びその獲得能力(基礎力)」は、それぞれ「分析基礎科目」「地域基礎科目」「基礎科目」により修得することができます。

②研究能力・応用力
 第1年次から第2年次の間、応用科目を通じて、地域活性化に貢献する上で必要な専門知識を理論と実践のバランスを図りながら体系的に修得し、その知識を個別分野及び個別地域における様々な課題に投影する際に必要となる応用的能力(応用力)を身につけます。また、第2年次に配置されたプロジェクト科目を通じて、地域活性化に貢献できるプロジェクトや調査を自ら企画・実行・発表するための実践的な課題解決能力(総合力)を修得します。

③倫理観・社会的責任
 本研究科の授業科目には、いずれも社会的要請に基づき、企業・行政が持つべき倫理観と社会的責任に関する内容が基本前提として取り入れられています。基礎科目の「研究倫理」に加え、その他の授業を幅広く履修することで、高い倫理観及び社会的責任に関する自覚と理解を踏まえつつ、地域活性化に貢献するための課題解決に必要な戦略や政策を立案・実行する能力を身につけることができます。

④グローバルマインド
 第1年次から第2年次の間、主に応用科目を通じて、地域資源を活用し発展させ、地域全体の活力を向上させるために必要とされるグローバルな視野に基づいた政策及び戦略を立案し提案できる能力を身につけることができます。

 以上の学習成果の評価は、シラバスに記載している方法によって、各授業科目の到達目標の達成度で評価します。プロジェクト科目は、教員全員による評価と指導教員による評価を合わせ総合的かつ厳格な審査を実施し、プロジェクト研究の最終的な合否判定を行います。 

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アドミッション・ポリシー(入学者の受入れに関する方針)

◇入学者に求める学力・能力・資質等
 大学院入学までに、以下のような学力・能力・資質等を備えていることを求めています。

①知識・技能・理解力
*4年制大学卒業相当の者が身につけているべき一般的な能力(特定の分野の知識や技能は求めない)

②思考力・判断力・表現力
*地域活性化に関する諸課題を論理的に考え、他者に説明できる表現力

③応用力
*地域活性化に関する諸課題から、自身が関心を寄せるものに焦点を当て、課題が生じる原因やそれを解決する社会的意義等を整理する力

④探求心・意欲・態度
*地域活性化に関する諸課題に主体的に取り組み、地域に貢献しようとする高い志・意欲・態度

⑤倫理観・社会的責任
*地域活性化に貢献することを志す者が持つべき倫理観とその社会的責任を理解できる能力

⑥グローバルマインド
*地域活性化に関する諸課題を、単に当該地域や国内で閉じた問題として捉えず、国際社会の中での問題として捉えようとする志向性

◇選抜方法の趣旨
○一般選抜
 小論文では、4年制大学卒業相当の者が身につけているべき一般的な能力、理解力、思考力(着眼点及び論理性)、表現力を評価します。
面接では提出書類を参考にしながら、思考力(着眼点及び論理性)、理解力、応用力、コミュニケーション能力、地域活性化に貢献することを志す意欲や倫理観、グローバルマインドを評価します。

○社会人選抜
 面接では提出書類を参考にしながら、思考力(着眼点及び論理性)、理解力、応用力、コミュニケーション能力、地域活性化に貢献することを志す意欲や倫理観、グローバルマインド、及び社会的実績を評価します。