法学研究科の教育理念

 香川大学大学院法学研究科は、法律関連専門職や公共的職務等に求められる高い学識と能力を有する人材の養成ならびに深い教養と学識を有する人材の養成を目的とします。法学、政治学の専門的素養を基に、高度に専門的な知識を習得、発展させるとともに、それらの知識を社会の多方面で応用し活用することのできる能力を、主体的な研究を通じて修得させることを目指します。

法学研究科の3つのポリシー

ディプロマ・ポリシー(修了の認定に関する方針)

 香川大学大学院法学研究科では、その教育理念に基づき、法学、政治学を中心とする社会科学において実践的な専門知識と調査・研究能力を備えるとともに、正義、人権、自由、平等などの基本理念を背景とした高い倫理観と社会的責任をもつ高度専門職業人を育成します。
 本研究科を修了し、本学が送り出す修士(法学)の身につけるべき能力・態度の到達基準は、次のとおりです。

①専門知識・理解
*法学、政治学の各領域において、高度の専門知識を備え、さまざまな社会事象を的確に理解し、分析することができる。
②研究能力・応用力
*明晰な論理的思考力をもって法学、政治学における高度な研究を行い、その成果を実践的に応用することができる。
③倫理観・社会的責任
*正義、人権、自由、平等などの基本理念を理解し、高い倫理観と責任感をもって社会の発展に寄与することができる。
④グローバルマインド
*地域の課題をふまえ、グローバルな視野と思考を備えて、法学、政治学における高度な研究活動を行うことができる。

カリキュラム・ポリシー(教育課程の編成及び実施に関する方針)

 香川大学大学院法学研究科では、修了の認定に関する方針(ディプロマ・ポリシー)に示した人材を育成するために、学術プログラムにおいては、税理士、司法書士、社会保険労務士などの業務とも密接に関連する「隣接法律職系列」の諸科目や、公務員その他行政関連の業務を念頭においた「行政法務系列」の諸科目が配置される特殊講義(総計22 単位)、並びに修士論文指導を内容とした演習(8単位)、リサーチ・プログラムにおいては、特定課題研究基礎(2単位)、特殊講義(総計20 単位)、演習(8単位)から構成される教育課程を編成・実施します。修了要件は、上記30 単位以上の修得、必要な研究指導を受けた修士論文の審査及び最終試験に合格することです。
 ディプロマ・ポリシーの各項目の達成は、以下に示す大学院教養教育科目を含めた体系的教育をもって実現します。

①  専門知識・理解
 1年次から配置された特殊講義により、基礎法、公法、私法にわたる法学系分野や、国際関係論や行政学も含めた政治学系分野における専門知識を理解、修得します。

②  研究能力・応用力
 指導教員が開講する科目を1年次から2年次を通じて受講する演習や、特定課題研究基礎(リサーチ・プログラム履修者のみ)において、自らの専門にかかわる課題を設定し、それを論証するための方法を学び、修士論文を作成することで、研究能力や専門的知識を応用的に活用していく能力を養います。

③  倫理観・社会的責任
 研究倫理講義により、研究上の不正行為(捏造、改ざん、盗用等)を未然に防止します。また、各種の法律専門職の方が講師を務める隣接法律職特殊講義を通じて、高度職業人に求められる倫理観や社会的責任を養います。

④ グローバルマインド
 1年次より開講される外国文献研究において、法学、政治学の研究を行う上で必要とされる高度な外国語の言語能力を高め、グローバルマインドを培います。

 以上の学習成果の評価は、基本的に特殊講義においては修得した知識の理解度により、演習においては専門的知識を応用して研究を計画・実施できる能力の総合評価により、厳格な成績評価を行います(5段階評価)。また、修士論文は、本研究科の定める学位審査基準に基づき、本研究科で選出された3人以上の審査委員により厳格な審査及び最終試験を実施して、学位論文としての合否判定を行います。

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アドミッション・ポリシー(入学者の受入れに関する方針)

◇入学者に求める学力・能力・資質等
 大学院入学までに、以下のような学力・能力・資質等を備えている学生を求めています。

①知識・技能・理解力
*法学、政治学に関する大学卒業程度の基礎知識・理解力
②思考力・判断力・表現力
*自らの論理的思考・判断に基づき法学、政治学に関する諸課題を説明できる表現力
③研究能力・応用力
*法学、政治学に関連する課題についての研究を遂行するための基礎的技能・応用力
④探求心・意欲・態度
*学術的、実践的、社会的な関心から、法学、政治学における諸分野について学び、研究することに対する高い志・意欲・態度と創造的な探求心
⑤倫理観・社会的責任
*法学、政治学分野において求められる正義、人権、自由、平等などの基本理念についての基礎的な理解
⑥グローバルマインド
*法学、政治学における諸課題と関連する国内外の情報を理解するための基本的語学能力と、それをグローバルな観点から捉えることのできる国際感覚

 ◇選抜方法の趣旨

○一般選抜
 筆記試験の「専門科目」では、志望演習に対応した科目及びその他の任意の科目(「志望演習に対応した科目でない科目」)の2科目を出題し、修学に必要な知識・理解力、論理的思考力・表現力を評価します。また、志望演習に対応した科目でない科目に代えて、「外国語」(英語、ドイツ語、フランス語のいずれか)を受験することができますが、その場合は法学、政治学の研究を行う上で必要な言語運用能力を評価します。なお、本学法学部・経済学部を卒業見込みの学生で、条件(①既に100単位以上を修得し、そのうち60単位程度以上が優以上であり、学部長又は指導教員が推薦し、合格した場合は入学することを確約できる者、又は②早期卒業見込みの者)を満たしている者は、「志望理由書」等によって総合的に評価し、筆記試験を免除することがあります。

○社会人特別選抜(学術プログラム)
 筆記試験の「専門科目」では、志望演習に対応した科目1科目を出題し、修学に必要な知識・理解力、論理的思考力・表現力を評価します。また、「研究計画書」「研究業績調書」によって基礎的な研究能力ならびに研究に対する探求心や意欲を評価し、筆記試験を免除することがあります。

○社会人特別選抜(リサーチ・プログラム)
 筆記試験では、「小論文」によって、修学に必要な知識・理解力、論理的思考力・表現力を評価します。また、「研究計画書」「研究業績調書」によって基礎的な研究能力ならびに研究に対する探求心や意欲を評価し、筆記試験を免除することがあります。
 口述試験では、提出書類等も参考にしながら、修学に必要な知識・理解力や勉学・研究に対する探求心・意欲・態度、自分の考えを論理的に構築し伝える思考力・判断力・表現力を評価します。併せて、正義や人権といった法学、政治学分野における基本的な理念を理解し、研究を行う上で求められる倫理観や社会的責任を身につけているかも評価の対象とします。