香川大学医学部附属病院(香川県木田郡三木町;病院長 門脇則光)は、再発または難治性の白血病とリンパ腫に対する新たながん免疫療法である「CAR-T細胞療法」の提供可能施設として、令和4年2月21日に四国の病院で初めて認定されました。これまで四国在住のキムリア®※1の対象となる患者さんは本州の病院に紹介していましたが、これからは海を渡ることなく当院でも受けられることになりました。当院では、これからも最新のがん治療、先端医療を提供していきます。

◆ CAR-T細胞療法とは
CAR–T細胞療法とは、患者さんの血液から白血球のひとつで免疫反応を担うT細胞を採取し、血液がん細胞を攻撃できるように「キメラ抗原受容体(CAR)」と呼ばれる特殊なタンパク質を遺伝子導入して患者さんのT細胞からCAR-T細胞を作製し、それを患者さんに投与することで、患者さん自身の免疫の働きを利用して、難治性のがん細胞を攻撃する革新的な治療法です。この治療法により、従来の抗がん剤治療や造血幹細胞移植で治らなかった患者さんでも高い抗腫瘍効果が得られ、寛解を達成することが可能になりました。

◆対象となる患者さん
・ 再発・難治性のCD19陽性B細胞性急性リンパ性白血病(25歳以下)
・ 再発・難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫

◆門脇則光 病院長・血液内科診療科長のコメント
最先端のがん治療法であるCAR-T細胞療法を行うことができる施設として、当院が認定されました。四国内では当院が唯一の認定施設です。この治療法は、患者さんからの細胞採取から始まり、細胞処理、凍結保存と製造工程の一部を院内で担うことになるため、高度な細胞処理技術を必要とします。CAR-T細胞療法は白血病、リンパ腫以外にも様々ながんに対して普及していくと期待されています。当院のキャッチフレーズ「ささえる、つながる、リードする」のもと、この治療法で四国のがん治療をリードしていきます。

※ 本治療法の適応については専門的な判断が必要となるため、適応に関するご相談は主治医の先生のみに限らせていただいております。患者さんやご家族からの問い合わせはお受けしておりませんので、ご了承下さい。
<参考>※1 キムリア®
ノバルティスファーマ株式会社が、CAR-T細胞療法として2017年に米国食品医薬品局(FDA)の承認を取得した初めての細胞製剤であり、わが国では2019年3月に厚生労働省の承認を取得した。

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〇問合せ先:

香川大学 医学部 総務課 広報法規・国際係
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