平成24年度、香川大学の全学共通教育の新カリキュラムが本格的にスタートしました。

新カリキュラムの目玉のひとつに全学を挙げて行う「大学入門ゼミ」があります。これは、「大学での参加型・能動的学習への転換・導入」を目的として行う1年次生対象の必修科目です。高校教育から大学教育への、さらには教養教育から専門教育への円滑な接続を目的として、各学部の教員が学術的なテーマを扱う中で以下のことを指導します。

  • 情報整理の方法(ノートのとり方など)
  • レポートの書き方(感想文との違い、作成の手順やルールなど)
  • 日本語技法(メールの書き方、書き言葉による手順の説明、推敲の技法など)
  • プレゼンテーションの方法(コンテンツ、テクニック、ツールなど)

 

このたび、4月17日(火)に行われた経済学部 原 直行 先生のゼミの様子を取材しました。

今回のテーマは、「コミュニケーション・スキル&レポートの書き方」。原先生から、コミュニケーションの方法として、色々なアイスブレイク(参加者同士の緊張をほぐすためのグループワーク)が紹介され、皆で実践していきました。続くレポートの書き方指導では、レジュメを輪読。原先生から、「レポートは感想文と違って、事実に基づく考察です。」、「大学では『私は~』と主観的に書く文章はほとんどない。客観性が重要。」といった指導があり、学生は熱心に聞き入ってました。

このゼミに参加している経済学部1年生の葛西 真子さんは、「少人数で行う授業のスタイルが高校と全く違って、大学らしいと思いました。レポートの書き方は知らなかったし、ゼミ・メイトとも仲良くなれたので、1年生の1学期からこういう授業があるのはとてもいいと思います。」と語っていました。

原先生は、「大学入門ゼミはレポートの書き方など大学全体で共通の方法を教えます。これは学生にはもちろん私たち教員自身もとても助かります。また、少人数での参加型教育は学生の意欲の高さがダイレクトに伝わり、教える私たちの意欲もより一層高まります。」と語っていました。

なお、大学教育開発センターでは、大学入門ゼミ開設に先立ち、ゼミ担当教員の「虎の巻」となる『大学入門ゼミハンドブック』を作成しました。大学入門ゼミ実施部会長として作成に携わった同センターの佐藤 慶太 先生は、学生に向けて「スキル教育という側面が強調されがちですが、この科目の役割はあくまでも大学生らしい学びへの導き。高校の勉強とは一味ちがう学問の面白さを味わいながら、そこで必要なスキルを学んでもらいたいと思います。そうすることで、スキル教育の意義も理解しやすくなるはずです。」と語っていました。