令和8年1月29日(木)、高松シンボルタワー展示場において、令和7年度香川大学瀬戸内圏研究センターシンポジウムを開催しました。本シンポジウムでは、瀬戸内海が直面する様々な環境問題や諸課題について、当センターが取り組んでいる研究を発信する目的で開催しています。今年度は、海産微細藻類の栄養価やこれを餌料としている二枚貝について研究を進められている専門家をお招きすると共に、当センターが令和4年度から進めている瀬戸内海の「環境・資源研究」と「地域産業振興」に特化した新規プロジェクト研究及び、令和6年度から東京藝術大学と連携しアートとサイエンスの融合に基づく事業「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」の成果について紹介しました。これらの講演に対し、会場からは多様な視点からご意見をいただきました。
シンポジウムは、上田夏生香川大学長の挨拶で開会した後、基調講演として国立研究開発法人水産研究・教育機構水産大学校の山﨑康裕先生から「稚貝期のアサリを用いた室内実験で垣間見た二枚貝が好む餌料と給餌法」についてご講演いただきました。現在、資源量が激減している二枚貝の摂餌生態について、その餌料となる微細藻類を用いた詳細な検証実験をご紹介いただきました。二枚貝育成の難しさを再確認するとともに、今後の課題について理解を深めました。
続いて、3件の研究報告が行われました。研究報告1として、中國正寿・香川大学瀬戸内圏研究センター特命助教から「海洋生態系を栄養価で読む」のテーマで報告がありました。本研究は瀬戸内海の「環境・資源研究」の一環として行われており、海洋生態系を栄養価という新たな視点で眺める取り組みになります。
研究報告2では、松沢智彦・農学部准教授(瀬戸内圏研究センター併任教員)から「瀬戸内海の微生物と物質循環」について報告がありました。本研究は、瀬戸内海の細菌叢とその環境応答に注目したもので、海水中や底泥に生息する細菌の多様度や糖添加に対する反応などが紹介されました。
研究報告3として、井上裕史・東京藝術大学藝術未来研究場特任准教授から「海は題材から“現実”へ ~科学者との共有体験が動かすアーティストの視点~」について報告がありました。香川大学が取り組んでいる海洋研究や調査にアーティストが参画し、科学者との“体験や会話”がアーティストの視点を変えた、中からいくつもの作品が紹介され、今後の取り組みについて示唆的なお話をいただきました。
研究報告会後の総合討論では、講演内容に基づく活発な質疑応答が行われ、最後に秋光和也研究担当理事からの閉会挨拶をもってシンポジウムを終了しました。
今回のシンポジウムは、会場参加に限定して開催しましたが、約50名の方に参加いただき、充実した意見交換の場となりました。瀬戸内圏研究センターは、今後もシンポジウムの開催を通じて、活動を広く情報発信するとともに、地域・社会における当センターが果たすべき役割について考察してまいります。








