平成23年4月12日(火)、第101回(平成23年)日本学士院賞に本学の佐藤恒雄名誉教授が選ばれました。

日本学士院とは、その前身を明治21(1879)年に作られた東京学士院とする歴史をもち、現在の日本学士院は、「学術上功績顕著な科学者を優遇する機関とし て、学術の発展に寄与するため必要な事業を行うことを目的とする」(日本学士院法第一条)学術における最高の機関です。学術上特にすぐれた論文、著書その他の研究業績に対する授賞をその事業の一つとし、毎年9名以内の研究者が日本学士院賞として選ばれています。受賞者の詳細に関してはこちらをご覧ください。

■佐藤恒雄名誉教授の主な略歴■

佐藤恒雄名誉教授は、現在の愛媛県四国中央市(川之江)出身
・昭和40年3月、東京教育大学(筑波大学の前身)文学部文学科国語国文学専攻卒業
・昭和42年3月、同大学院文学研究科修士課程日本文学専攻修了 文学修士
・東京都立高等学校教諭を経て、昭和46年3月、東京教育大学大学院文学研究科博士課程日本文学専攻単位取得満期退学
・同年4月1日、香川大学助手教育学部に採用
・昭和56年4月1日、香川大学教授教育学部
・平成2年11月、高松市文化奨励賞受賞
・平成14年12月2日、第24回角川源義賞(国文学部門)受賞
・平成15年3月25日、博士(文学)の学位を取得(筑波大学)
・平成16年3月31日、定年により退官
・同年4月1日、広島女学院大学文学部教授に採用、現在に至る。

ここに見られるように佐藤恒雄名誉教授は33年にわたり、香川大学教育学部国語教室の教官として毎年数多くの学生に文学を講じる一方で、鎌倉時代の 歌人藤原為家を中心とする歌壇、歌人および歌集の研究を精力的に推進し百に余る論文等を発表しています。

そしてその大きな結実が大著
「藤原定家研究」風間書房 平成13年5月刊、
「藤原為家全歌集」風間書房平成14年3月刊、
「藤原為家研究」笠間書院 平成20年9月刊(この度の授賞の対象)
に代表されるものです。ちなみにこれらの図書はご自身の寄贈により、香川大学図書館の本学教員著作図書の棚に収められています。手にする者は必ず圧倒される存在感です。研究分野によって事情は異なりますが、古典文学研究という東京など都会の近辺に居住し研究する有利さをあえて取らず、高松において我が国の学界を代表する研究を構築してきた研究者です。