令和7年11月27日(木)東京藝術大学大学美術館(東京都台東区上野公園12-8)にて、東京藝術大学及び日本政策投資銀行(以下、DBJ)との三者連携協定を締結しました。
本連携協定は、香川大学が有する科学(藻場造成技術)を基軸に、東京藝術大学の有するアートの力を融合することで、人々や企業の「海」および「海業」への関心をより一層高め、さらにDBJの有する金融的知見が加わることにより、藻場再生プロジェクトの事業化を促進し、豊かで持続可能な瀬戸内海の創生を加速させることを目的としています。
連携の主な狙いは以下のとおりです。
① 藻場造成構造物の技術力を活かし、海の基礎となる藻場を創生するとともに、経済性以外の価値評価を実施すること。更に、本事業を通じた持続可能な「海」・「海業」の創生のための仕組みづくりを検討すること。
② 「アート」の力によって、普段は見えていない磯焼け等による海の現状や、海が再生する様子を見える化。広範に社会からの海への関心を惹きつけることで、新たな価値を創出し、事業の更なる高度化を実現すること。
③ 「学×学×金」の連携により、大学の新事業創出を通じて、経営力の強化を図ること。
協定締結式には本学からは、上田夏生学長はじめ、末永慶寛副学長、筧善行イノベーションデザイン研究所長、東京藝術大学からは日比野克彦学長、そしてDBJからは原田文代常務執行役員が登壇しました。
はじめに、上田学長より、香川大学の「科学」、東京藝術大学の「アート」、そしてDBJの「金融」それぞれの強みを活かして連携効果の最大化を図り、豊かな瀬戸内海の創生を目指していく旨、挨拶の中で語られました。
続いて写真撮影が行われたのち、筧所長のファシリテートのもと、東京藝術大学 日比野学長、DBJ 原田常務、末永副学長による連携協定締結を記念したトークセッションが行われました。
トークセッションでは、末永副学長より藻場から始まる資源あふれる豊かな瀬戸内海の創生に向けた取組について説明がなされ、藻場造成構造物が、漁業を変え、地域を変え、社会を変える強力なツールととして、さらに進化するためには、科学×アート×金融の力の融合が不可欠であることが語られました。原田常務からは藻場造成技術を軸に発生する生態系の豊かさ、観光資源、防災機能といった経済性以外の価値の定量化を有識者らと共にさらに加速させることや、豊かな海を創生するこの取組みを瀬戸内海から最終的には世界へと広げていきたい旨が語られました。そして日比野学長からは、見えない海の中を想像するきっかけづくりを行い、アートの側面からのアプローチを行うことで取組効果の最大化を図っていくこと、また、海の中を「楽しく」想像できるような教育・体験の可能性について語られました。
本締結式は東京藝術大学が開催する「芸術未来研究場展」の一角にて執り行われており、最後に、日比野学長より、展覧会にて展示中の海洋調査から着想を得て制作されたアート作品の紹介がなされ、盛会のうちに終わりました。科学×アート×金融の連携による事業の発展が期待されます。
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