循環器病患者の健康寿命の延伸、死亡率の減少を目指して、本年4月に香川県循環器対策推進計画が策定されました。その個別施策には、「患者の状況に応じた治療と仕事の両立支援、就労支援等の推進」があります。
香川大学医学部附属病院(以下、本院)では、重症心不全で植え込み型補助人工心臓(VAD)を装着し、心臓移植を待つ患者さんの「治療と仕事の両立支援、就労支援」を行うため、事業所への人工心臓に対する知識普及と機器講習の出張講義を行います。

2022年7月現在で心臓移植の待機をしている方は全国で約900人ですが、その待機期間は4−5年と長期にわたります。移植待機期間を安定した状態で過ごすため、心臓移植を待機している方の9割以上がVADを装着します。VADを装着すると移植待機期間を自宅で過ごすことが可能です。
しかしVAD装着後の24時間ケアギバー(介助者)が必要なことや機器トラブルに対する不安がVAD患者さんの社会復帰の妨げとなっています。本院では「VAD患者ケアチーム」を結成し、県内のVAD患者さんの診療を行なっています。少しずつ患者さんの数が増えており、社会復帰を目指す方が増えてきています。
今回のような出張講義によって事業所の不安や疑問を解消し、また実際就労する際の環境調整も一緒に確認できます。家族以外の人と繋がりを持てることで日々の生活の質を向上させ、患者さんと一緒に社会復帰を目指すサポートに取り組みます。
なお、本院は、厚生労働省による「令和4年度脳卒中・心臓病等総合支援センターモデル事業」の実施施設に選ばれています。

1.プロジェクト名:循環器疾患の社会復帰支援
2.出席者:香川大学(循環器内科 井上朋子/ 臨床工学部 光家努・久保諭)
               NPO法人 ぷちふらわぁ倶楽部 (冨田哲也/高谷ゆかり)
               VAD患者 
3.日  時:令和4年9月15日 (木) 15〜17時
4.会  場:〒768-0073 香川県観音寺市茂西町1丁目6-1 NPO法人 ぷちふらわぁ倶楽部

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問い合わせ先 

香川大学医学部 循環器・腎臓・脳卒中内科学講座
TEL:087-891-2150
FAX:087-891-2152
E-mail:md-2nai@kagawa-u.ac.jp