国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、「NEDO」)が公募していた「2023年度 官民による若手研究者発掘支援事業(スタートアップ課題解決支援型)」に、香川大学 北田研人 助教がKAGAMI株式会社と共同で提案した研究開発課題「宇宙生活や アンチエイジングに資するD-アミノ酸水分保持技術の開発研究」が採択されました。

   近年の産業界では、短期的に成果の出やすい応用研究にシフトする企業が多く、様々な研究分野の基盤となる基礎研究の弱体化が懸念されています。基礎研究が弱体化してしまうと、急速な世界の市場変化や国際競争に対応できなくなることにつながるため、大学等における基礎研究の充実、そして次世代を担う若手研究者の育成と活用が求められています。しかしながら、日本国内の若手研究者が自律的に研究開発を実施できる環境の整備は十分ではなく、また、各種企業から大学等への研究費の拠出割合も主要国と比較して低く、産業界が若手研究者を含めた大学の機能・リソースを十分に活用できていないのが現状です。   
   これに対して、「官民による若手研究者発掘支援事業(スタートアップ課題解決支援型)」は、社会への実用化を目指す創造的な基礎および応用研究を行う大学等に所属する若手研究者を発掘し、若手研究者と企業との共同研究等を支援することで、次世代のイノベーションを担う人材を育成するとともに、日本国における新産業の創出等に貢献することを目的として実施されます。特に本事業では、大学等に所属する若手研究者が、自身の研究力を生かしてスタートアップ企業と初期的な共同研究等を実施し、将来的に日本発・世界初のイノベーション・新産業創出を目指します。
   北田研人助教がこれまで解明してきた全身性体液保持機構(J Clin Invest 2017, Nat Rev Nephrol 2021, Acta Physiol (Oxf) 2021, 他)や宇宙空間における体液分布(Kidney Int 2022)に関する研究、また、生体組織電解質・水分含量測定系、浸透圧応答レポーターシステム等の研究ツールを実装してきた実績に加えて、スタートアップ企業との革新的産業創出に対する取組みが評価され、本事業の採択に至りました。

<官民による若手研究者発掘支援事業(スタートアップ課題解決支援型)>
https://www.nedo.go.jp/koubo/SM2_100001_00046.html

<官民による若手研究者発掘支援事業(スタートアップ課題解決支援型)の採択課題について>https://www.nedo.go.jp/koubo/SM3_100001_00046.html

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