2023年6月30日、情報化推進統合拠点が幸町キャンパスのオリーブスクエアにてシンポジウムを開催し、基調講演「大学におけるDX推進の価値とその難しさ」とパネルディスカッション「DX推進に向けて大学ができること、香川大学ができること」の2部構成で進行しました。 現地でのご参加の他、オンラインでも北海道から沖縄まで全国からご参加いただき、合わせて160人を超える参加となりました。
基調講演は「大学におけるDX推進の価値とその難しさ」と題して、早稲田大学理工学術院教授で大学ICT推進協議会前会長の深澤良彰氏にお話しいただきました。
コロナ禍でネットワーク授業をした結果、膨大な量の教育コンテンツと教育データが蓄積しました。深澤氏は、その大規模なデータを教育・研究・事務という各側面で利活用するデータ駆動型教育の重要性が増す一方で、データの分析の未熟さや従来の大学の組織構造では対応できないという難しさを指摘されました。実例として早稲田大学と慶応義塾大学が仮想的な共同図書館システムを構築した「図書館DX」を挙げ、大学間の横のつながりを利用した情報交換を行い効果的な施策を実施することなどが求められるとお話いただきました。
続いて「DX推進に向けて大学ができること、香川大学ができること」をテーマにパネルディスカッションを行いました。
〈パネリスト〉
・早稲田大学理工学術院教授、大学ICT推進協議会前会長/深澤良彰氏
・株式会社リコー コーポレート執行役員CDIO デジタル戦略部部長/野水 泰之氏
・日本マイクロソフト株式会社 執行役員/中井 陽子氏(ご都合によりビデオ参加)
・株式会社STNet 常務取締役コンシューマー営業本部長/田口 泰士氏
〈コーディネーター〉
・香川大学情報化推進統合拠点 副拠点長/八重樫 理人
DX推進に向けて、それぞれの立場で「変わらなきゃいけないところ」と「どうやって変えていくか」を例示いただきました。
早稲田大学は「時空を超えてデータ駆動に取り組むために相互運用性を実現する」こと。
株式会社リコーは「OAメーカーからデジタルサービスの会社へ変わるために、社員が新しいスキルを獲得する必要がある」こと。
日本マイクロソフト株式会社は「新しいスキルや未来のスキルを意識するために、教育プログラムの構築が必要」であること。
株式会社STNetは「インフラから事業構造を拡大するために評価軸を変えて、新しいやり方に挑戦できる環境整備を進める」ことなどが挙げられました。
それを受けてコーディネーターの八重樫教授は、香川大学ができることを
・新しいやり方やスキルを習得する「機会」の創出
・新しいことに取り組むための実践の「場」の創出
・新しいことに取り組むための「文化の醸成」
の3つにまとめ、新たに設置した情報化推進統合拠点で活動する方向性を確認しました。
当日の様子は、YouTubeでご覧いただけます。