•香川大学医学部薬理学の西山 成 教授と北田研人 助教の研究が、2020 年度・JAXA 国 際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」を利用したマウスサンプルシェアテ ーマと、フィジビリティスタディ(FS)テーマの両者で採択されました。 • このうち、マウスサンプルシェアテーマは香川大学単独の研究であり、宇宙空間における マウスの体液変化を検証します。一方、フィジビリティスタディ(FS)テーマでは、藤田 医科大学の髙橋和男 教授と横浜市立大学の矢野裕一朗 准教授と共同で、国の戦略的研究 募集区分「『きぼう』を使ったヒトの健康長寿に関する研究」の宇宙実験を目指します。

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、2020 年度に国際宇宙ステーション ISS の日本実験棟 『きぼう』を利用したマウスサンプルシェアテーマとフィジビリティスタディ(FS)テーマを募集しました。 • このうち JAXA のマウスサンプルシェアテーマ募集は、『きぼう』船内実験室で実施した小動物飼育ミッシ ョンの組織サンプルを活用し、生命における重力影響の全容解明などを目指すものですが、香川大学の研究 案「微小重力に伴う生体内の電解質・体液分布変化の同定」がこれに採択されました (https://iss.jaxa.jp/kibouser/subject/invitation/share/72616.html)。 • さらに、『きぼう』を使ったヒトの健康長寿に関する研究を宇宙で実施することを目指す「フィジビリティス タディ(FS)テーマ・(国の戦略的研究募集区分)」においても、香川大学・藤田医科大学・横浜市立大学の 共同研究「宇宙空間で生じる体液分布変化に伴う夏眠様反応の同定」が採択されました (https://iss.jaxa.jp/kibouser/subject/invitation/fs/72634.html)。 • 両者とも JAXA との共同研究として実施されますが、最近、香川大学が明らかとした新しい体液の制御機構 (Kitada K, Nishiyama A, et al. J Clin Invest 2017, Nat Rev Nephrol 2020 など) について、宇宙空間に おけるマウスと宇宙飛行士でどのような変化が生じるのかを明らかにすることを目的とします。特に、進化 の過程で生物が獲得した「夏眠 (aestivation)」反応に着目した研究が実施される予定です。 • これらの研究により、宇宙飛行士が微小重力で生じるからだの変化、例えば筋力低下や皮膚の水分異常の発 症機序や、それらに対する生態防御反応メカニズムが明らかとなり、現代病・老化に対する未来医療や宇宙 空間での健康維持法の開発につながることが期待されています。 • 本研究は西山教授が進めている日本学術振興会・科学研究費助成事業の「基盤 B: 腎臓が引き起こす生体老 化の機序解明とその制御 (2018~2021 年)」・「挑戦的萌芽:健康長寿をもたらす夏眠反応同定とその制御 (2020-2021 年)」、北田助教が進めている「研究活動スタート支援:単核貪食細胞による筋肉のカタボリ ズム亢進メカニズムの解明」などをもとに立案されています。

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