5月24日(木),25日(金)の2日間,県内外から700名を超す参加者を迎え,附属坂出小学校第91回 教育研究発表会が開催されました。今年度は,研究テーマを『「思考力」をはぐくむ学びの創造-脳神経科学との連携-』とし,①思考様式(思考に関する手続 き的な知識)の長期記憶化をめざした授業づくり,②脳の活性化を図る時程編成,③家庭との連携,という3つの内容を提案しました。
「思考様式の 長期記憶化をめざした授業づくり」では,これまでの授業実践から見出した長期記憶化に有効な4視点(「意欲・情動の喚起」「精緻化」「簡略化・焦点化」 「繰り返し」)に基づいて,教材を開発し,授業提案しました。測りにくく,育てにくい,しかし,学力の中核をなす,と言われる思考力を育てる上での「思考 様式」の重要性,そしてそれを長期記憶化することの価値を訴えかけ,参会された多くの先生から高い評価をいただきました。
「脳の活性化を図る時 程編成」では,1日の時程の中で,ドリルを「どの時間帯」に「どれくらいの時間」取り入れると効果的なのかを提案しました。昨年度からの検証の結果,朝5 分間の計算ドリルを行うことで脳を活性化し,活性が低下し始める4時間目前に2分間の音読をすることで,脳の活性を1日維持できるのでは,と考え,現在実 践を重ねているところです。
「家庭との連携」については,昨年から発行している子どもの生活習慣向上プリント「Do you 脳?」を紹介しました。研究会後の問い合わせも多く,参加された先生方の関心の高さを改めて感じることができました。
また,1日目のシンポジウムでは,中村克樹先生(国立精神・神経センター)の司会のもと,脳神経科学を活かした実践に取り組んでいる長崎大学教育学部附属中,立命館小学校からゲス トを迎え,教育実践や今後の展望についての議論がなされました。2日目には,「脳と学習」という演題で,茂木健一郎先生(ソニーコンピュータサイエンス研 究所)の講演会が行われ,約400名の参加者は熱心に耳を傾けていました。

 

3年理科「電気の通り道」での授業風景

3年理科「電気の通り道」での授業風景

「茂木先生の講演」

「茂木先生の講演」