1月31日(火)、瀬戸内圏研究センター一見准教授らによる国際共同研究グループが、干潟に飛来するシギ等の鳥類がバイオフィルム(微生物膜)を餌として摂取していることを世界で初めて解明したことの記者説明会を開催しました。

シギ類などの干潟や海岸に飛来する鳥類は、これまでカニなどの小動物だけを食べていると考えられていましたが、摂取時の観察やふんの分析などから、小型のシギ類がバイオフィルムを餌の主食としており、最大で餌全体の78%を占める個体がいることもわかりました。

日本・英・カナダの国際共同研究グループは、2年前からカナダや北海道のコムケ湖、千葉県の盤洲干潟などで望遠カメラなどを使い、本格的な調査、研究をした結果、小型シギ類は舌先に多数あるブラシのような毛にバイオフィルムを巧みに絡めて食べている様子が確認でき、同じくバイオフィルムを主食とする巻き貝と競争関係にあることも示されました。

会見で一見准教授は、飛来するシギ類が減少している点に触れ「エネルギーの補給源であるバイオフィルムが発達する干潟を守らなければ、鳥の減少に拍車をかける」と警鐘を鳴らしました。

また、これらの成果を纏めた研究論文が2月6日(月)、フランスの生態学専門誌「エコロジーレターズ」電子版に掲載されました。

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