2011年10月1日

所信表明

学長 長尾 省吾

この度10月1日付けで香川大学学長に就任いたしました。

2003年に旧香川大学と香川医科大学が統合し、8年が経ちましたが、医学部出身の学長は初めてでありますので、まず自己紹介をいたします。私は約40年にわたり、主に医学部・附属病院で学生や若い医師の教育・研究・診療指導に当たってきた脳神経外科医です。この間病院長を務め、退官後は二つの総合病院の運営責任者として、医療の質向上と健全経営を行って参りました。

2004年に国立大学は法人化され、大学の責任で本務である教育、研究、社会貢献などの運営にあたり、財政面で自立化するという方針転換がなされました。その意味において大学の意思を決定する学長の責務は重いと考えています。意思決定の過程において、地域の方々の香川大学に寄せられる様々な期待に敏感にお答えできるように、大学教職員、学生諸君ともよく意見交換を行い、情報を共有します。そして今大学はどの様な変革に取り組んでいるか丁寧な情報発信に努めます。そして所属して良かったと学生・教職員が感じられる大学(教育・研究の充実)、地域に信頼され、尊敬され、愛着を感じてもらえる大学(地域貢献)、大学構成員が安心して教育・研究・運営に専念できる大学(経営健全化)の実現に全力で当たります。

最も重要な教育では、初年次から世界に通用する人材育成を視野に入れながら、地方大学の役割である地域のニーズに合った人材の輩出を目指します。そのためには、科学的な考えを学び、新たな問題提起ができ、設問作成が出来るようなグローバル化に対応できる学習習慣や指導を行います。他大学と一味違った、日本の復興に寄与できる人材を育てたいと念じています。

研究については、一流を知る事が一番の教育と言われているように、世界をリードする研究と研究者を支援し、将来性のある若い研究の芽も丁寧に育てたいと思っています。学部横断的な研究、人文社会と自然科学系学部が共同で参画する研究、地域のあらゆる組織と連携した研究や企画にも積極的に応援してまいります。

社会貢献では、大学には優秀な専門家が多くおり、とにかく地域で大学の人材と知識・技能・技術を活用していただき、行政や産業界とも手を取り合って地域の活性化や地域作りにお役に立ちたいと思っています。現在地域と言えば、どうしても高松地域中心になりがちですが、県東西の地域の方々への情報発信と連携を目的に、大学サテライトの設置を考えています。最後に各学部の卒業生の方々にも、大学運営に参画していただく事も企画中ですのでご協力宜しくお願い致します。