平成23年7月1日
国立大学法人香川大学
富士通株式会社

香川大学と富士通による、特別な支援を必要とする子どもたちへの
スマートフォン活用の共同研究を開始

国立大学法人香川大学(所在地:高松市幸町、学長:一井眞比古、以下、香川大学)と富士通株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:山本正已、以下、 富士通)は共同で、特別な支援を必要とする子どもたちと、その指導者や保護者などを対象にして、スマートフォンを活用した生活・学習支援の共同研究を本日 より開始します。
スマートフォンの視覚的な表現の多様性、直感的な操作ができるという特長を活かし、特別な支援を必要とする子どもたちの生活の質 を高めることを目指します。また、感情表現が苦手な子どもたちのために、感情表現を支援するソフトウェアを新たに開発します。

 

【 共同研究の概要 】
1.目的
身近なICT機器であるスマートフォンを活用して、特別な支援を必要とする子どもたちの生活の質を高めることを目指します。
2.期間
2011年7月1日(金曜日)から2012年3月31日(土曜日)(予定)
3.対象
小学校、中学校、特別支援学校に通う発達障がい(学習障がい、自閉症など)、知的障がいのある子どもたちとその保護者および指導、支援している教師、支援員
4.研究内容
富士通が開発するソフトウェアをインストールしたスマートフォンを教師、支援員、保護者に数ヶ月間貸与し、子どもたちの使用場面の観察、アンケート、ヒアリングなどを通して有効性を調査、分析します。
5.ソフトウェア
今回使用するソフトウェアは2010年度に香川大学と富士通で有効性を検証し、公開した「特別支援携帯アプリ」をベースに、スマートフォンの特長を活かせるように機能を追加・改良するものです。
(1)感情の表現を支援するソフトウェア【新規開発】
感情の種類(喜怒哀楽等)の選択部、感情の強弱(5段階)を選択するスライダー部、感情の変化を表示するキャラクター顔部で構成。画面上のスライダーを左右にスライドすることで、キャラクターの表情が変化し、感情に強弱をつけて自分の感情を表現することができる。
(2)漢字やひらがななどの筆順の理解を支援するソフトウェア【機能追加】
スマートフォンの特長を活かし、なぞり書きの機能を追加。
(3)時間の理解を支援するソフトウェア
(4)コミュニケーションや見通しを支援するソフトウェア

【 共同研究の背景 】

香川大学教育学部(学部長:有馬道久)では、附属特別支援学校(校長:武蔵博文)や附属特別支援教室「すばる」(室長:惠羅修吉)において、特別な支援を必要とする子どもたちへの教育と支援を行っています。特に、発達障がい(学習障がい、自閉症など)や知的障がいの子どもたちを対象にして、ICTを活用した教育と支援も実践しています。
また、富士通はこれまで身近なICT機器である携帯電話を活用して、特別な支援を必要とする子どもたちへのサポートを行ってきました。2010年10月には「タイマー」「絵カード」「筆順」の3つのアプリを開発し、無償で公開しました。今回の香川大学との共同研究では、近年急速に普及してきているスマートフォンを活用し、特別な支援を必要とする子どもたちの生活の質を高めることを目指します。

【 今後について 】
香川大学と富士通では、共同研究終了後、教育機関、支援センター、保護者などに対して、ソフトウェアの活用事例、支援の有効性などについて成果を幅広く公開する予定です。さらに、これらのソフトウェアについては、実証実験結果を踏まえて機能、操作性の改善を図り、普及を目指します。
香川大学と富士通は今後も、特別な支援を必要とする子どもたちに有効なICTの活用について、研究を継続していきます。

【 関連Webサイト 】
・http://www.kagawa-u.ac.jp/topics/education/universal-design-award-2011/
(特別支援携帯アプリが「universal design award 2011」を受賞(2011年3月7日 プレスリリース))
・http://www.kagawa-u.ac.jp/articles/000/004/183/
(富士通と携帯電話活用で共同研究開始)
・http://jp.fujitsu.com/about/design/ud/sna/
(特別支援携帯アプリ 紹介サイト)

【 商標について 】
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

【 お問い合わせ先 】
香川大学 
教育学部 坂井研究室 電話:087-832-1551(直通)
富士通株式会社
広報IR室 電話:03-6252-2175(直通)