地域医療教育支援センターと県との共催により、県内の医療の再生に取り組む行政の長と将来の地域医療の担い手である医学生の初の意見交換会が当院で2月24日に開催されました。県からは浜田恵造知事と健康福祉部の方々が、本学からは、阪本医学部長と1~6年生までの医学科学生10名が出席しました。

同センター長、医学部長からの歓迎の挨拶の後、知事から、ご自身の治療体験にも触れながら、県内の医療の整備に対する熱意を感じるご挨拶をいただきました。"地域医療とは"のテーマでは、学生の発言により、地域住民に寄り添う医療、僻地/市街地それぞれの地域特有のニーズに応える医療、さらに、その地域に多い疾患を題材とした研究をも含む、地域医療の多面性が確認されました。また、"香川県に求む"というテーマでは、"僻地医療を一人で任された場合、学会出張などが制限され、医療の進歩に取り残されては困る"、"そもそも、休みは無くても好きならできるという精神論に頼るシステムでは不安"など、切実な意見が出ました。
これに対して知事は、当院で開発された診療支援システムK-MIXの可能性に触れる一方、後方支援の整備は、人材と経費を要し、県民の同意が必要と回答されるなど、終始、全ての学生の発言に傾聴され、誠実に対応いただいたのが印象的でした。

最後に、知事は学生の一人一人と握手をして、記念撮影に加わっていただきました。今回実現した浜田知事との直接の意見交換は、学生が地域医療の担い手としての使命感を醸成する大きな契機になりました。また、行政側も、支援対象の学生の頼もしい態度と考えに触れ、支援の意義を確信されたものと思います。さらに、知事に今後も同様の機会をお約束いただいたことは、医学生や同センターにとっての励みとなりました。

集合写真