11月21日(木)、イノベーションデザイン研究所では、「安全・安心なモビリティ社会を実現するイノベーション」と題して、シンポジウムを開催しました。また、本シンポジウムは、本年発足した「ヒト・モビリティ・ソサエティに関わるシミュレーション技術の高度化コンソーシアム」のキックオフシンポジウムを兼ねての開催となりました。
はじめに、上田夏生学長より開会挨拶があり、企業と本学が共同で萌芽的な研究に取り組む「産学共創リサーチ・ファーム」から発展する形でコンソーシアムが誕生した経緯についても述べられました。
今回は、長年トヨタ自動車株式会社にて、ハイブリッドシステムの開発を牽引された、八重樫武久氏による基調講演がおこなわれました。これまでのご経験に基づき、AIやDXを単なる技術革新として捉えるのではなく、社会全体をつなぐための統合的な武器として活用することの必要性が述べられるとともに、熱量高く最新の武器を使いこなせる次世代のエンジニアの育成と、その先に日本が「システムイノベーション」をリードする未来が実現することへの期待が寄せられました。
その後、日本工業大学(本学客員研究員)の荒川俊也氏、株式会社本田技術研究所の味村嘉崇氏、一般財団法人日本自動車研究所の北島創氏、マツダ株式会社(本学特命教授)の吉岡透氏、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社の馬詰健輔氏から、それぞれご講演をいただきました。
オープンディスカッションでは、冒頭で本学鈴木桂輔教授より、今回発足したコンソーシアムは、企業のニーズと大学のシーズをかけ合わせ、ヒト・モビリティ・ソサエティに関わる様々な社会課題を解決する共通の土壌をつくることを目的として発足したものであることについて述べられたあと、参加者からの質問を含む複数のテーマについて、活発な意見交換がおこなわれました。
最後に、筧善行イノベーションデザイン研究所長より閉会挨拶があり、異なる機関が集まってコンソーシアムを形成するうえで、競争領域と協調領域の棲み分けが特に難しいですが、確実なスキルを携え、同じ志と高い熱量をもって取り組むことで乗り越えることができるのではないかと今後の展望が語られました。
当日は、会場とオンラインを含めて、約90名の方に参加いただき、本シンポジウムが安全・安心な社会を実現するためのイノベーションのきっかけになることが望まれます。
2024年11月25日