四国におけるDXの推進に向けて、デジタルの力を暮らしやビジネスを変える手法として有効に活用するため、デザイン思考による地域の課題の掘り起こしとその解決に向けた共創プロセスを学ぶワークショップが2023年11月6日、香川大学情報化推進統合拠点で開催されました。

【 概 要 】

このワークショップは総務省四国総合通信局と四国情報通信懇談会が主催し、香川大学情報化推進統合拠点が共催して行ったものです。地方自治体や民間企業などから25名が参加し、講師によるインプットトークや参加者によるグループワークの様子はオンラインでも配信されました。

講師を務めたのは、民間企業でのプロダクトデザイナーの経験を持つ香川大学創造工学部 石塚昭彦准教授です。「これだけ情報がオープンになっている現代において、これまでにないアイデアを得るためには、未来のビジョンを描き、それを”軸”としてアイデアを展開することが有効だ。」だと話し、「目指せ!フードロス・ゼロ」をテーマに設定してワークショップを行いました。

数人ずつ5つのグループに分かれ、創造工学部造形・メディアデザインコースの学部3・4年生が意見のまとめ役としてファシリテートしながら、「フードロス」に対するそれぞれの価値観を付箋に書き出し、ホワイトボードに貼り付けていきます。

参加者は目の前に可視化された様々な自分たちの価値観を整理して、次に「どうすれば私たちは○○できるのか?(How might we 〜 ?)」という“問い”を導き出します。問いから、ありたい社会の姿を浮かび上がらせて“ビジョン”を言葉に表現します。2つのグループでは、話し合いの様子がオンライン配信され、オンライン参加者が傍聴しました。

各グループは制限時間の中で考え出した「食べきる、飲み切る、使い切る」や「生産者と消費者双方の最適化」などのビジョンを発表しました。

四国情報懇談会の地域デジタル実装部会長を務める香川大学情報化推進統合拠点 米谷雄介准教授は「デジタル技術は社会課題を解決するための手段で、何に価値があるのかを自分で言語化することが最優先。そのための道具がデザイン思考であり、道具を使いこなす練習として効果的なワークショップになった」と統括しました。