◆希少糖D-アルロースを利用した糖尿病治療食が、2型糖尿病患者の食後血糖を抑制する効果があることを世界で初めて立証しました。
◆希少糖D-アルロースは、様々な基礎研究で糖代謝改善作用・食後血糖改善効果、抗肥満作用が期待されていましたが、人の2型糖尿病患者を対象に、希少糖を食事療法に活用した際の効果については、これまで詳細な報告はありませんでした。
◆今回、2型糖尿病における治療の根本となる食事療法に希少糖が有効であることが分かり、今後、新たな食事療法への応用が期待されます。

■発表の概要
香川大学医学部附属病院 内分泌代謝内科の研究グループは、希少糖D-アルロースを利用した糖尿病治療食が、2型糖尿病患者の食後血糖を抑制する効果があることを世界で初めて立証しました。
希少糖(自然界で存在量の少ない単糖とその誘導体)の一種であるD-アルロースは、糖代謝改善作用・食後血糖改善効果に加え、体重減少などによる抗肥満作用も期待されています。今回、ボスコフードサービス(株)と共にD-アルロースを含有する治療食を開発し、2型糖尿病患者に摂取して頂いたところ、通常の糖尿病治療食(カロリーや栄養バランスが厳格に管理された食事)と比較しても、食後の血糖値を有意に抑制することが分かりました(右図参照)。人の2型糖尿病患者の食事療法として、希少糖を実際に臨床応用し、その有効性を持続血糖測定器を使用して詳細に検証した世界で初めての報告であり、2型糖尿病における治療の根本となる食事療法において、今後さらなる食事療法への応用が期待されます。
これらをまとめた研究成果がNutrients誌に掲載されました。
(URL:https://www.mdpi.com/2072-6643/15/12/2802)


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●担当:香川大学医学部 内分泌代謝・先端医療・臨床検査医学
           村尾孝児 福長健作
●共同研究:ボスコフードサービス(株)
●お問い合わせ先: 香川大学医学部附属病院 内分泌代謝内科
           TEL:087-891-2230 / FAX:087-891-2230