チェンマイ大学(タイ王国)は、1990年から協定を締結し、ほぼ全ての学部・センターが交流を実施しており、本学の「海外教育研究拠点校」のひとつです。2007年からは、2大学の合同国際シンポジウムを相互の大学で開催し、これまでに7回(2018年開催)を数えています。一方、国立嘉義大学(台湾)とは、2013年に協定を締結し、複数の学部やセンターが交流を実施しています。2012年から、2大学の合同国際ワークショップを開催しており、やはりこれまでに7回(2019年開催)を数えています。それぞれに十分な成果を挙げてきていましたが、学問分野を拡げて関心を持つ研究者や学生の数を増やすことに加えて、新たな発想での研究の萌芽を目指すために、3大学合同でのシンポジウム開催へと発展させることを決めました。そして合同シンポジウムの名称も、国連の定めた2030年までに達成すべき目標であるSDGsを3大学が連携して実施していくことを反映して、「Trilateral Symposium on SDGs」と決めました。第1回Trilateral Symposium on SDGsは、2021年8月30日~9月1日の3日間にわたり、香川大学がホストとして対面で開催すべく準備をしていましたが、新型コロナウィルス感染症の世界的蔓延により開催が困難となり1年間延期することを決めました。しかし嬉しいことに3大学の熱意が大変強く、連携推進の盛り上がりを現実化しようということになり、オンラインで第1回Trilateral Symposium on SDGsを開催する流れとなりました。3大学の学長等が参加して連携を宣する全体セッション、4つの研究分野に分かれたサテライトセッション、そして学生の交流を促す学生セッションの6つのセッションを行いました。

全体セッションは、2021年9月1日(水)15:00~17:00に開催し、3大学及び関連大学の教職員、学生約120名が参加しました。第一部では、3大学長の挨拶に続いて、動画による大学紹介がありました。その後、Memorandum of Cooperationが締結され、3大学のますますの連携強化と、次年度以降のシンポジウム開催が約束されました。第二部のディスカッションセッションでは、3大学のSDGsに関連する研究紹介の動画が流され、国際交流担当及び研究担当の副学長を中心に活発な議論がなされました。本シンポジウムを契機として、若手研究者を中心に継続的な共同研究の発展が期待されるものになりました。

サテライトセッションは、8月31日(火)~9月6日(月)にわたり、「Sustainability & Food Session」、「Sustainability & Technology Session」、「Sustainability & Society Session」及び「Sustainability & Health Session」の4セッションが行われました。延べ約200名の教職員及び学生が参加し、分野ごとに活発な議論・質疑応答が行われました。すでに具体的な共同研究の芽が幾つか出てきています。

学生セッションでは、各大学から16~25名の学生、計66名が参加しています。また3大学から数名のスーパーバイザーとコーディネーターが参加しています。学生を5つのチームに分け、1回目(9月1日)はアイスブレーキングとテーマの決定、2回目(9月8日)はテーマのディスカッションとプレゼンの準備を行いました。3回目(9月22日)には、5つのグループが最終プレゼンテーションを行う予定となっています。

以上のように、オンラインで開催した第1回Trilateral Symposium on SDGsは6つのセッションが開催され、約420名を超える参加者がありました。教員・研究者・学生の交流と、具体的な教育・研究面での共同事業を創出するという目的は十分達成できました。