STI for SDGs AWARD 科学技術振興機構理事長賞

香川大学の原量宏(はらかずひろ)特任教授(名誉教授、瀬戸内圏研究センター特任教授)及び德田雅明(とくだまさあき)副学長(国際戦略・グローバル環境整備担当、インターナショナルオフィス長)が、令和2年度「STI for SDGs」アワードにおいて、特に科学技術の点で秀でた取組に与えられる科学技術振興機構理事長賞を受賞し、学長に受賞の報告をしました。

「STI for SDGs」アワードは、科学技術イノベーション(Science, Technology and Innovation:STI)を用いて社会課題を解決する地域における優れた取り組みを表彰することで、当該取り組みのさらなる発展や同様の社会課題を抱える地域への水平展開を促し、もって持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)の達成に貢献することを目的として、JSTが創設しました。

第2回目となる今年度は、35件の応募があり、文部科学大臣賞1件、科学技術振興機構理事長賞1件、優秀賞2件の取組みが受賞しました。10月21日(水)に科学技術振興機構(JST)から発表され、11月19日(木)にオンラインで開催された「サイエンスアゴラ2020」の中で表彰式、受賞団体代表者によるピッチトーク及びディスカッションセッションが行われました。

今回受賞となった「超小型モバイル胎児モニターを用いて安心・安全な妊娠・分娩を実現する」取り組みは、原特任教授が中心となり開発した小型軽量化したモバイル胎児モニターを用いた点が、STIの活用や革新性において高く評価されました。また、本システムの水平展開において、国内の離島やへき地など産科医不足の地域のみならず、德田副学長らが牽引して、タイ、インドネシア、ミャンマー、ブータンなど海外6カ国ですでに導入し、世界の医療格差の解消に積極的に貢献しようとしている点が、「誰一人取り残さない」というSDGsの精神に沿う取り組みであるとして、選考委員会において科学技術振興機構理事長賞にふさわしいと判断されました。SDGs目標3(すべての人に健康と福祉を)の達成はもちろんのこと、目標5(ジェンダー平等を実現しよう)や、目標17(パートナーシップで目標を達成しよう)の達成に寄与する取組です。今後は、国内外で産科医が不足している地域や、救急車両での妊婦の搬送時への導入や、香川大学でも既に活用している新型コロナウィルス感染症蔓延状況下での妊婦のコントロールなどに拡大することを目指しています。

「審査結果」はJSTのホームページに掲載されました。
 https://www.jst.go.jp/sis/co-creation/sdgs-award/2020/result_2020_riji.html