令和2年11月18日(水)15:00~17:00(日本時間)に、香川大学瀬戸内圏研究センターとインターナショナルオフィスが主催して、遠隔医療(胎児モニター)の第2回ウェビナーを開催しました。日本および世界において、産科医が居ない多くの地域で妊娠出産する妊婦に、超小型軽量化したモバイル胎児モニター(iCTG)を用い、「いつでも、どこでも、だれでも」容易に妊娠状態を計測でき、安心・安全な妊婦管理を可能にする産官学連携プロジェクトの紹介目的のウェビナーです。8月19日に開催した第1回ウェビナーでは、主としてチェンマイ県全域における産科専門医のいない診療所(約25施設)の看護師、助産師、ならびに日本の助産師を対象としたため、日本語と通訳によるタイ語で開催しましたが、タイ、および日本から約60人の参加者がありました。その後講義内容をYouTubeで提供していますが、大変好評で、これまで700回以上視聴されています。 
今回はその第2回目として英語にバージョンアップして開催しました。
iCTGのシステムは、香川県はもちろん、岩手(遠野)や鹿児島等にも拡大し、現在国内5地域での活用を行っています。また、国際展開としては、2014年にチェンマイ地域(タイ国)でのJICA事業から始まり、南アフリカ、ブータン、ミャンマーなど、開発途上国を中心として6カ国での展開を行っています。本プロジェクトは、SDGs 3.1(妊産婦死亡率低減)、SDGs 3.2(新生児死亡率低減)を中心として、SDGs 5.b(女性の能力強化にICT技術の活用)、SDGs 17.7(開発途上国への技術移転)に貢献するプロジェクトです。
我々の取り組みは、科学技術振興機構(JST)の2020年度STI (Science, Technology and Innovation) for SDGsアワードの科学技術振興機構理事長賞を受賞しました。
この第2回ウェビナーでは、徳田雅明副学長から、香川大学の国際交流やSDGs解決のための取り組みを紹介した後に、原量宏香川大学瀬戸内圏研究センター特任教授から「胎児モニターの原理と開発の歴史」について、埼玉医科大学総合周産期母子医療センター母子・胎児部門の馬場一憲客員教授から「胎児心拍数の見方」についての講義がありました。その他にiCTGのビデオを紹介しました。
今回のウェビナーには、7カ国(ブータン、カンボジア、中国、マレーシア、ミャンマー、ケニア、タイ)の50名以上が登録し、当日も35名が参加しました。今回のウェビナーはYouTubeでも提供しています。河北医科大学では早速大学のホームページで本ウェビナーのことを紹介してくれています。