香川大学は、障がいの有無によらず共に学ぶための ICT 利活用の産学官共創での取り組み「ともに学ぶプロジェクト」において、「IAUDアワード2017」(主催:国際ユニヴァーサルデザイン協議会)の金賞を、香川県教育委員会、小豆島町教育委員会、富士通株式会社、富士通デザイン株式会社と共に受賞しました。表彰式は3月9日にドイツミュンヘンで行われ、本学からは教育学部 坂井聡教授が出席しました。
「ともに学ぶプロジェクト」は、社会課題である共生社会の形成に向け文部科学省が推進する、児童生徒が障がいの有無にかかわらず共に学べるインクルーシブ教育システムの構築に向け、ICTを利活用する香川大学と富士通の産学共同研究で、本学では教育学部 坂井研究室・宮崎研究室を中心に行われてきました。
香川県教育委員会、小豆島町教育委員会の協力を得て、特別支援学校と小学校を合わせた計6校にて、インクルーシブ教育システム構築の基礎となる環境整備や一人ひとりの障がい特性に応じた合理的配慮の提供に有効なICT利活用モデルの開発を狙いとした実証実験を実施しました。この中で、発達障がい等により感情表現や意思伝達に困難がある生徒が、コミュニケーションを支援するソフトの使用により感情表現とともに感情制御が可能となり他の生徒と一緒に授業に参加することが可能となった事例や、上肢の障がいのある生徒がタブレットPCを活用することで書字の困難を解決し、大学進学の目標を新たに持つまでに学ぶ意欲が向上するなどの効果を得ることができました。
【 注釈 】
(注1):IAUDアウォード
「ユニヴァーサルデザイン(UD)の更なる普及と実現を通して、社会の健全な発展に貢献し、人類全体の福祉向上に寄与すること」を基本理念とする国際ユニヴァーサルデザイン協議会(IAUD)の活動の一環として、民族、文化、慣習、国籍、性別、年齢、能力などの違いにかかわらず、“一人でも多くの人が快適で暮らしやすい” UD 社会の実現に向けて、特に顕著な活動の実践や提案を行なっている団体・個人を彰するもの。
(注2):国際ユニヴァーサルデザイン協議会(IAUD)
ユニヴァーサルデザインのさらなる普及と実現を通して、社会の健全な発展とくらし創りを目指す活動体として2003年11月に設立された協議会