平成29年7月28日(金)、幸町キャンパスオリーブスクエア2階多目的ホールにて、「大学の情報化に関するFD・SD(教育研究におけるクラウド活用について)」を実施しました。

 今回は、日本マイクロソフト株式会社 中田寿穂様から教育研究におけるクラウド活用についてご講演いただき、また研究におけるクラウド活用事例について、地元企業でありAWSのコンサルティングもされている株式会社テリムクリ 池上香苗様と、香川大学 工学部 電子・情報工学科 八重樫理人 准教授よりご報告いただきました。

 講演では、中田様より”Big Compute in the Cloud with High Performance Computing on Microsoft Azure”と題して、現在展開されているクラウドサービスについて、そのセキュリティ、コンプライアンスへの適合状況、製品紹介や購入方法のご紹介がありました。省電力化の問題からクラウドを導入し、コスト削減とセキュアな情報管理を実現した大学の紹介や、製品の中にはコーディングしなくてもドラッグ&ドロップの操作だけで作れるMachineLearningが出てきており、利用しやすいようハードルが下がってきているなど、数多くの大学へのクラウドサービス導入を支援している中田様から詳しくご説明をいただきました。
 
 活用事例として、まず池上様からはクラウドでの温暖化シミュレーションについてご報告いただきました。
陸域生態系シミュレーションをオンプレミス仮想環境とAWS環境で行った場合、約半分の時間短縮が図れたということから、今後はその他のAWS環境を利用し、さらなるシミュレーションの時間短縮・コストカットを期待しているとのことでした。また、池上様はご主人の転勤への帯同や育児との両立など、その生活スタイルとクラウドを利用したワークスタイルとのマッチングの面からも新たな働き方をご提示いただきました。
 
 八重樫准教授からは、広告表示プリンタシステムKadaPosと観光日記生成印刷システムKaDiaryの開発を通じたクラウド活用事例を紹介いただきました。
 シェアリングエコノミーの流れは、現在IT分野においても進展していて、システム開発で言えば、必要な時にクラウドリソースを使ってプロトタイプの作成、検証、不要になれば手放すといった使い方を指しています。先生の研究室ではクラウドを利用して短期間に研究環境を調達、実証実験を行い様々なシステムの評価をすることができました。ただし、まだ一般的に教員が個人で簡単にクラウド技術を利用できるレベルではないため、コンサルタントの必要性をご指摘いただきました。
 
 今回の講演では、中舎副学長はじめ、文系・理系教員、ならびに事務職員の方々にも多数ご参加をいただき、盛会に終えることができました。