学長所信

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 このたび2017年10月1日付けで国立大学法人 香川大学学長に就任いたしました。2003年に旧香川大学と香川医科大学が統合し、新香川大学となって4人目の学長となります。

 私の学長としての任期の4年間は、2016年度から始まった6年間の「第3期中期目標中期計画」の主要期間にあたります。従って私の使命の第一は、教育、研究、地域連携・社会貢献、国際化への対応、管理運営面の全てにおいて、目標の達成へ向けたリーダーシップを発揮することであります。さらに、特筆すべき使命として、2018年4月に開講予定の創造工学部や大幅な改組を行った経済学部や農学研究科、新設予定の医学部臨床心理学科において、改革をスムーズに軌道に乗せ、動き始めた改革の歯車を止めることなく「大学全体の改革」というさらに大きな歯車の回転に繋げることだと考えます。

 創造工学部では、次世代型の工学系人材の育成を目指して、デザイン思考およびリスクマネジメント能力の涵養を7つのすべてのコースに共通の教育目標として掲げております。人間が行っている作業の多くをロボットや人工知能が代替する時代が目の前に迫っており、人間にしかできない能力に磨きをかけ、新しいアイデアと創造性をはぐくみ、人間ならではのスキルと共感力を発揮できるようにすることがこれからの高等教育の中心命題であると私は考えております。従って、創造工学部で開始されるデザイン思考教育、リスクマネジメント教育は、全学共通教育を通して全学的に波及させる所存です。

 一方、より専門性の高い知識やスキルを身につけさせ、真に地域創生に貢献出来る人材を育成するとともに、本学の研究力を一層強化するためには大学院改革は喫緊の課題です。地域の活力を増し、なおかつ研究力も強化出来るような大学院改革を進めたいと考えております。大学院のもう一つの役割として学び直しの機会の提供があります。本学ではすでに地域マネジメント研究科や教職大学院、生涯学習教育研究センターなどがそのような役割を果たしておりますが、今後は学び直しの機会提供の面でも大いに大学の機能を拡充させたいと思います。そもそも人類の寿命は延び続けております。60歳ないしは65歳で定年を迎えた方もそれからかなりの期間を生きがいのある人生を送って行く必要があります。そういった観点から、大学を卒業した後もいつでも自分に再投資したい人々に学びの機会を提供することも大学の大きな使命となりつつあります。

 次代の我が国を背負う創造力にあふれた人材を輩出するとともに、大学に求められる多様化するニーズにも応え、揺るぎない知の拠点として香川大学が地域の発展に貢献できるよう学長としての使命を果たして行く所存です。皆様のご支援をよろしくお願いいたします。



平成29年10月1日
国立大学法人香川大学長
筧 善行