D-プシコース(アルロース)は、香川大学で生産酵素が発見されたことを契機として、同大学を中心に香川県内で研究・開発が進み、大量生産技術の確立に至った希少糖の一種であり、令和元(2019)年11月には、松谷化学工業株式会社(本社:兵庫県伊丹市)が、イングレディオン社(本社:米国イリノイ州)との協業により、メキシコ合衆国ケレタロ州に、世界初となるD-プシコース(アルロース)専用の製造工場を建設(竣工)しました。

この、本県における長年の産学官連携による取組みの成果である希少糖D-プシコース(アルロース)100%の純品について、今回、松谷化学工業株式会社から、日本国内への供給(全国販売)が開始されることとなりました

全国販売に先立ち、9月2日(木)午後1時30分から、松谷化学工業株式会社代表取締役社長が、オンラインにより、香川大学長及び知事に、販売開始の報告を行います

■ 希少糖D-プシコース(アルロース)純品の国内供給(全国販売)開始に向けた報告会
1 日 時 令和3年9月2日(木)午後1時30分から午後1時50分まで
2 場 所 本館11階 知事第3応接室(オンラインを活用した報告)
3 参加者 松谷化学工業株式会社
                     代表取締役社長 松谷 晴世 
                     専務取締役 希少糖事業本部長 渡邉 力太郎 
                 香川県
                     知事 浜田 恵造
                 国立大学法人香川大学
                     学長 筧 善行 
                     国際希少糖研究教育機構 研究顧問 何森 健 
                     国際希少糖研究教育機構 副機構長 秋光 和也 

 

■ 希少糖とは
自然界での存在量が少ない単糖(糖の最小単位)やその誘導体(分子構造が変化してできた化合物)を指し、自然界に50種類以上が存在するといわれています。自然界に多量に存在する単糖は、ブドウ糖、果糖など7種類であり、残りのものは全て希少糖です。
香川大学をはじめとした研究機関によって希少糖の大量生産技術が確立されたことにより、研究が進み、様々な生理機能を有することが解明されてきています。

■ D-プシコース(アルロース)とは
希少糖のひとつで、カロリーがほとんどなく、砂糖の7割程度の甘さを持ちます。
香川大学の 何森 健(いずもり けん)教授が、平成3(1991)年に、農学部の食堂裏の土壌にいた微生物から果糖をD-プシコース(アルロース)に変換する酵素を発見したことを契機として、同大学を中心に県内での研究が進み、これまでに、食後血糖値の上昇抑制作用、脂肪蓄積抑制作用、動脈硬化抑制作用などの効果が期待できるとの研究成果が報告されています。 

■ D-プシコース(アルロース)専用の製造工場とは
松谷化学工業株式会社がイングレディオン社と協業し、メキシコ合衆国のケレタロ州に新設した世界初となる希少糖D-プシコース(アルロース)専用の製造工場で、令和元(2019)年11月に竣工しました。
その後、商業生産に向けた各種の試験を経て、今回、日本国内への供給(国内における全国販売)が開始されることとなりました(※)。
松谷化学工業株式会社からは、メキシコ工場で生産したD-プシコース(アルロース)を、ブランド名「ASTRAEA(アストレア)」として、世界の食品メーカーに販売していくことが発表されています。
なお、メキシコ工場におけるD-プシコース(アルロース)の製造には、県内(松谷化学工業株式会社番の州工場)で生産された酵素が使用されています。(※)現在、香川県では、事業者向けに、国内の試験プラントで作られたD-プシコース(アルロース)の純品が先行的に供給されており、県内事業者から、純品を用いた多数のスウィーツが販売されています。

■ 「かがわ希少糖ホワイトバレー」プロジェクトについて
県では、将来にわたって本県経済の持続的発展を図るため、中長期的な視点に立った戦略的な産業振興の指針として「香川県産業成長戦略」を策定し、その重点プロジェクトのひとつに「かがわ希少糖ホワイトバレー」プロジェクトを掲げ、本県における希少糖産業を「希少糖といえば香川、香川といえば希少糖」と呼ばれる一大産業へと成長させるべく、産学官連携による取り組みを進めています。
希少糖は、香川で生まれた世界に誇れる財産であり、県では、希少糖が引き続き本県経済の成長の原動力となっていくよう、希少糖研究の中心にある香川大学や企業と連携しながら、世界的に求心力のある希少糖の「知の拠点(=研究開発拠点)」の形成や、産学官一体となった「希少糖産業」の創出、世界に通じる「香川の希少糖」ブランドの確立に努めてまいります。


【お問い合わせ先】
国立大学法人香川大学 国際希少糖研究教育機構 副機構長 秋光 和也
TEL:087-891-3131 FAX:087-891-3021
E-mail:akimitsu.kazuya@kagawa-u.ac.jp

上記不在の場合
国立大学法人香川大学 学術部 研究協力グループ 井戸元
TEL :087-832-1341 FAX:087-832-1319
E-mail:soumke@kagawa-u.ac.jp