上田夏生教授(生体分子医学講座 生化学)は、国際カンナビノイド学会(International Cannabinoid Research Society)で、Mechoulam賞(学会賞)を受賞し、2021年6月21-24日にオンラインで開催された第31回年会で受賞講演を行いました。2000年に創設された同賞を日本人研究者が受賞するのは初めてのことです。
乱用薬物の一種である大麻(マリファナ)が興奮を引き起こす仕組みが調べられた結果、「エンドカンナビノイド・システム」と呼ばれる情報伝達系が体内に発見され、大麻の精神作用は、大麻に含まれるカンナビノイドと呼ばれる成分が脳などに存在する受容体に結合し、この情報伝達系を撹乱することで生じることが明らかにされています。
本学会は650名以上の会員を擁する国際学術団体で、カンナビノイドやエンドカンナビノイド・システム等についての研究の振興を目的としています。上田教授は、25年以上に渡り、ヒトの体内に存在するマリファナ様物質(エンドカンナビノイド)の合成や分解を触媒する酵素の解明に取組み、新しい酵素の発見やcDNAクローニングなど、一連の成果が評価されました。
我が国では、若者を中心に大麻の乱用が深刻化する一方、世界各地では鎮痛薬などとして「医療大麻」の実用化が進んでおり、今後、この分野の学術研究がいっそう重要になると考えられます。

国際カンナビノイド学会HP
https://new.icrs.co/ICRS2021/ICRS2021/speakers/

 

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