寺林優教授(工学部・博物館長)、伊藤文紀教授(農学部・博物館副館長)、山本珠美准教授(生涯学習教育研究センター・博物館元副館長)、松本由樹准教授(農学部)、松下幸司准教授(教育学部附属教育実践総合センター)が、平成25年度科学技術分野の文部科学大臣表彰・科学技術賞(理解増進部門)を受賞しました。

科学技術分野の文部科学大臣表彰は、科学技術分野に関する研究開発、理解増進等において顕著な成果を収めた者について、その功績を讃える賞です。理解増進部門は、青少年をはじめ広く国民の科学技術に関する知識の普及啓発等に寄与する活動を行った個人又はグループが表彰対象です。今回受賞の対象となった業績は、「自然史系標本資料活用の拠点形成による科学への理解増進」の活動が高く評価されたものであります。

表彰式は、平成25年4月16日(火)に文部科学省において執り行われました。

<業績の概要>

香川県は狭い面積にもかかわらず古くから人口が多く徹底的に開発されてきたため、稀少な自然環境はあまりのこされていない印象がありますが、注目すべき地質や特有の動植物相がみられます。自然史に対する児童生徒および地元住民の理解を深めるだけでなく、自然に関する活動に携わり、さまざまな環境問題の解決にも資する人材の要請が求められています。本活動では、香川大学内に分散している貴重な学術資料を収蔵し、公開・活用するために、四国初となる大学博物館の設置(平成19年4月)および開館(平成20年4月)に尽力しました。学内から異なる専門分野の教員が参画し、企画展、公開講座、講演会、ミュージアム・レクチャーなどを多数開催しました。さらに、科学技術振興機構のサイエンス・パートナーシップ・プロジェクトによるフィールドワークを中心とした講座・実習を県内の中学校および高等学校と連携して実施しました。本活動により、大学博物館を拠点とした自然史科学に関する学内外との交流および協同が実現し、地元住民の自然史系標本資料に対する関心と意識が高まるなど、科学への理解増進に寄与しています。