取材日 2025年12月15日
Kadai SALON(会報第6号)
碧海総合法律事務所
弁護士
田中寛子さん
法学部 2019年卒業)

『Kadai SALON(会報第6号)』の誌面に掲載しきれなかったインタビュー記事をご紹介します!
現在の主な仕事内容を教えてください。
碧海総合法律事務所で、中小企業をメインとした企業法務を担当しています。顧問業務や契約書のチェックに加え、倒産・再生手続き、倒産企業の補償整理などが主な業務です。
どのようなやりがいがありますか?
依頼者は本当に切羽詰まった状況で相談に来られます。時間が限られる中で、無事にすべての手続きを終えられたときは、私自身も心からホッとします。
倒産という言葉にはマイナスなイメージもありますが、田中さんはどう捉えていますか?
単なるマイナスではなく「社会の新陳代謝」を支える仕事だと考えています。地域経済への思いを活かし、倒産後の再チャレンジ支援に関われる点に大きな意義を感じています。
なぜ「企業法務」の道を選んだのでしょうか。
「会社は人の塊であり、会社があるから社会や経済が回っている」と気づいたからです。社会の根幹である経済活動を、弁護士として手伝いたいと考えました。
地方(香川)の事務所を選んだ理由は何ですか?
東京に比べて地方は中小企業を支える弁護士がまだ多くありません。地方経済を支える経営者の皆さんに寄り添い、一緒に走り続けるサポーターになりたいと思ったからです。
仕事をする上で大切にしていることは?
経営者や役員の方々が何を考え、どんな思いで会社を運営しているか、ヒアリングを大切にしています。法律の知識だけで、本当にいいサービスができるのかを常に自問自答しています。
現在、新しく挑戦していることはありますか?
中小企業診断士の勉強をしています。より深く経営をサポートできるよう、財務知識をさらに磨いていきたいですね。
弁護士になってから、最も大変だった時期はいつですか?
実務に就いた最初の1年です。3ヶ月の研修では分からないことばかりでしたが、周囲からは「プロ」として見られます。目の前のことに必死についていく毎日でした。
弁護士を目指したきっかけを教えてください。
もともと「手に職」をつけたい思いがありました。最初は小説家を夢見たこともありましたが、自分にはクリエイターよりロジカルな思考が向いていると自覚し、高校生の頃には弁護士を意識していました。
香川大学法学部ではどのように過ごしていましたか?
法学部のサークル「藍青会」に1年生から所属し、学業に励みました。先生方にもよく顔を覚えていただけるような学生だったと思います。
学外ではどのような活動をしていましたか?
さぬき市の男女共同参画プラン策定委員を務めるなど、積極的に学外の活動にも関わっていました。当時はそうした動き方をする学生が珍しかったかもしれません。
一橋大学の法科大学院への進学エピソードを教えてください。
当時はまだ前例が少ない中での挑戦でしたが、先生方が力を尽くしてくださり、希望を叶えることができました。母校のサポートには今も感謝しています。
キャンパス内でお気に入りの場所はありましたか?
静かな場所より少し雑音がある方が集中できたので、オープンスペースをよく利用していました。学食よりもカフェで過ごすことが多かったですね。
趣味や休日の過ごし方を教えてください。
祖父が美術教師だった影響で、幼い頃から絵を描くのが好きでした。今も秋に休みを取って、各地の美術展を巡るのが毎年の楽しみです。
芸術系財団の理事も務められているそうですね。
はい。実は、会報誌に絵を描いていたことがご縁で理事を務めることになりました。思わぬところで特技が仕事や活動の幅を広げてくれています。
現在は非常勤講師として母校の教壇にも立たれていますが、いかがですか?
教える側の喜びを日々味わっています。学生たちの新鮮な視点に触れることで、私自身も刺激を受けています。
学生時代に「やっておけばよかった」と思うことはありますか?
留学です。今のキャリアプランを考えると、まとまった時間を取るのが難しいので、時間があるうちに経験しておけばよかったなと思います。
香川大学法学部の魅力はどこにあると思いますか?
「香川大だからできないこと」はほとんどありません。結局は、自分がどれだけ積極的に動き、人のつながりを生かせるか次第で、どこまでも可能性を広げられる場所です。
活躍する弁護士になるために必要な視点は?
法学以外のこともちゃんと学ぶこと。多角的な視点を持っている方が、実務に出たときに発想が豊かになり、より良い解決策を提示できると思います。
在学生へ、メッセージをお願いします!
「言われたことをこなす」だけでなく、気になることがあれば自分で調べて動いてみてください。情報を掘り下げ、多角的な視点を持つことで、自分の選択を「やってよかった」と思える未来を切り拓いてほしいです。