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 取材日 2025年12月11日
 Kadai SALON(会報第6号)
 財務省四国財務局
 東かがわ市官民連携マネージャー
 寺西康博さん
 (経済学部 2028年卒業)

 

 

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『Kadai SALON(会報第6号)』の誌面に掲載しきれなかったインタビュー記事をご紹介します!

現在のお仕事について教えてください。
2022年より東かがわ市の「官民連携マネージャー」を務めています 。年間200〜300社のスタートアップ企業と面談し、民間企業のソリューションを地域課題の解決にどう実装するかを企画・実行する仕事です 。

これまでのキャリアの歩みを教えてください。
2008年に四国財務局に入局し、2013年からは財務省主計局へ出向しました 。2015年に四国財務局へ戻り、2022年から現職に就いています 。

なぜ公務員の道を選んだのでしょうか?
民間企業の内定式で「自分の個性を出せるのはここではない」と感じたのがきっかけです 。「誰かの役に立って喜ばれること」を追求でき、他者視点で社会に貢献できるのは公務員ではないかと考え、進路を決めました 。

大学時代の就職活動や試験対策はどうされていましたか?
3年次の秋から試験対策を始めました 。持ち前の要領の良さで合格できましたが、当時は「努力して思いを叶える」という深い成功体験がないまま社会に出たという自覚もありました 。

キャリアにおける大きな転機はいつでしたか?
財務省主計局への出向です 。質量ともにハードな環境で、周囲の圧倒的な努力を目の当たりにし、「要領よく楽をしてきた自分」を猛省するとともに、努力の大切さに気づかされました。

出向時代に、自身の価値観を変えた出来事はありますか?
2014年に担当した国立児童自立支援施設の予算査定です 。過酷な環境に置かれた子どもたちの現実に触れ、「自分が恵まれていればそれでいい」と考えるのではなく、一人ひとりが社会をつくる一員として行動すべきだと強く感じました。

財務省から四国財務局へ自ら戻る決断をした理由は?
組織に求められる役割を果たすだけでなく、地方から社会や未来に影響を与えるオリジナリティのある活動をしたいと考えたためです。

地方に戻ってから、自分自身をどうアップデートしましたか?
財務省で鍛えた体力を、思考・知識・教養の蓄積に充てました 。業務後の時間を使って学び続けることを習慣化し、行動力と内面のバランスを整えていきました。

若手職員時代に主導したプロジェクトについて教えてください。
自主的な若手プロジェクトチームを結成し、16名で各自治体の課題をヒアリングして回りました 。自治体間の横のつながりを生む「若手フォーラム」のような取り組みを行い、これが後の活動の原型となりました。

政策立案コンテストで大きな実績を残されていますね。
2017年と2018年に、内閣府の『地方創生政策アイデアコンテスト』で2年連続の最優秀賞(地方創生担当大臣賞)を受賞しました 。香川大学の学生プロジェクトや他自治体とのコラボレーションによる提案です。

2019年から本格始動した「テラロック」とはどのような活動ですか?
多様な人が集まり、日常の「外」にいる人たちと強烈な出会いを経験できる場をつくる個人活動です 。「対等・独自・挑戦」をキーワードに、1,000人以上が関わる交流会へと成長しました。

なぜ「組織」ではなく「個人」として活動を始めたのですか?
自身が財務省時代に異質な価値観の人から影響を受けた経験から、挑戦を後押しする社会の空気を「個人」として作りたいと考えたからです。

東かがわ市での仕事において大切にしていることは?

フラットな関係を保つこと、失敗を許容して小さくても社会的インパクトを生み出すこと、全国第一号事例をつくること。すべてテラロックの「対等・独自・挑戦」に通じています。

具体的な成果として、どのような事例がありますか?

東かがわ市の養殖カキブランド『ADOMILK(アドミルク)』の確立です 。地域の歴史や特性をリサーチし、最先端のデジタル養殖技術を活用することで、未経験の地でのシェア獲得を目指しています。

カキのブランド化において、どのような視点を持ち込みましたか?
世界的な人口増によるタンパク質不足というマクロな課題と、植物プランクトンを餌とするカキの持続可能性(サステナビリティ)に着目しました。

寺西さんの活動の原動力、軸となっているものは何ですか?
「相手を知りたい」「人間が好き」という思いです 。人や社会に対して強い興味関心を持ち続けることが、すべての活動の根底にあります。

これからの目標や展望を教えてください。
行政・公共の可能性を広げることです 。専門性を積み上げ、公共領域を拡張した前例をつくることで、自分自身の力を超えた大きな影響を未来に残したいと考えています。

香川大学の後輩たちへ、学生時代にやっておくべきアドバイスは?
「学生のうちに多くの人に会い、話を聞くこと」です 。大学生という立場は、社会人以上に相手に話を聞き入れられやすい最強のカードになります。

「人に会う」こと以外に大切な経験はありますか?
「いろんな土地を知る」ことです 。「人に会う」と「土地を知る」はセットであり、その時にそこでしかできない経験を積むことが大切です。

最後に、後輩たちへのメッセージをお願いします。
いろんな経験を通じて、小さな成功体験を積み重ねてください 。多様な価値観に触れることが、自分の人生を豊かにするきっかけになるはずです。