アニメで世界を繋ぐ!学生起業家が描く未来

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     取材日 2025年1月9日
                Kadai SALON(会報第5号)
     教育学部4年(合同会社Biryoku代表)
     藤澤 暉さん


    

 

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『Kadai SALON(会報第5号)』の誌面に掲載しきれなかったインタビュー記事をご紹介します!

起業することに、周りの反応はありましたか?
家族には伝えていませんでした。最初は個人事業主として始め、確定申告の書類が届いた時にバレました。合同会社Biryokuも同様に、書類が届いたタイミングで知られました。家族の反応は、「そんなことをしていたのか」という感じで反対はされませんでした。起業部に入っていることは知っていたので、すごく怒られるかと思っていたのですが、両親も学生時代にアルバイトで扶養を超えたことを祖父母に事後報告していたらしく、特に何も言われませんでした。

起業したのはいつからですか?
2年生の時に休学した後、起業しました。

起業部は学校からの支援があるのですか?
特にありません。立ち上げ時は、前の学長の筧先生がサポートしてくださったと聞いています。顧問の永富先生には色々な人を紹介していただきました。筧先生と永富先生にはとても感謝しています。起業部が何をしているのか理解されていない部分もあり、応援しづらいのかもしれません。今年度から本格的に活動を始めたので、来年以降に期待しています。

起業部と合同会社Biryokuの違いを簡単に教えてください
起業部は、起業したい人と起業に興味がある人で構成された部活です。私は、起業したい人として、合同会社Biryokuを立ち上げました。起業部では、起業した事業のサポートも行っています。起業部には、私のように合同会社を立ち上げている人もいれば、YouTubeをしている人、防災関連やまちづくり関係の活動をしている人もいます。

Biryokuを一緒にメインでしている人が4人いるとのことですが、他の方も色々な起業をされているのですか?
先輩には起業して独立されている方が何人かいます。現在の起業部ではまだいません。今年度から1年生の公募を始めたため、部員の8割が1年生ですが、半数くらいは個人事業主として活動しています。

起業部には入部試験があるのですか?
はい、面接があります。毎年20〜25人程度に絞る予定です。起業部は合う人と合わない人がいるので、興味を持ってもらえるだけでも価値があると思っています。

起業部も他のサークルもそうですが、年々メンバーが変わってきます。そうなると合同会社自体はどうなっていくのですか?
合同会社Biryokuの代表は変わらないと思いますが、メンバーは卒業していくので、最終的にはみんなが副業として関われる会社にしたいと思っています。

言える範囲で、今後、どんなことを考えていますか?
アニメは言語習得や言語交流に非常に役立つと思っています。言語が通じなくても、アニメの単語だけで共通の認識を持つことができます。例えば、ワンピースの話をすれば、「ワンピース」という単語だけで通じ合えることがあります。言語習得で一番楽しいのは、意思疎通ができた時です。ポップカルチャーは共通認識を持ちやすく、意思疎通がしやすいので、外国の人との交流に役立つと考えています。
様々な経験を通して、世界中に友達ができるような未来を作りたいと思っています。現在インドネシアにいますが、特定技能制度に疑問を感じています。能力があるのに適材適所で働けていない人がたくさんいて法律の勉強も必要だと感じています。インドネシアは非常に楽しく、将来性も豊かだと感じています。

仕事をする上で心がけていること、大切にしていることは何ですか?
時期によって変わりますが、稼がなければいけない時はしっかり稼ぐことを意識しています。組織としては、心理的安全性を非常に重視しています。Biryokuだけでなく、起業部でも同様です。起業部の特徴は、心理的安全性が非常に高いことです。Biryokuはまだ稼ぎきれていないので、しっかり稼ぐことも大切ですが、心理的安全性の高い環境を作ることを意識しています。
収入だけでなく、発言しやすい環境、働きやすい環境、働きたくなる環境を作るようにしています。特に1年生が発言しやすい環境づくりを心がけています。通常のサークルでは、上の学年の人が発言し、1年生はあまり発言しないことが多いですが、起業部では逆です。基本的に1年生が全体グループで話し合い、権威が逆転しています。このような組織風土を作っているので、1年生が主体的に活動し、様々なイベントに参加しています。

起業しての面白み、醍醐味って何でしょう?
起業は、頑張れば頑張るほど稼ぐことができる点が面白いと思います。時給制ではなく、自分の価値が変動するところが面白いです。時給換算すると、5,000円の時もあれば200円の時もあり、そこが面白いと感じています。

1年やってみて、どんな感じですか?
私の場合は個人事業主の延長線のような業務内容だったので、法人化したことで様々な企業と関わることができた点が良かったです。本当はもっと努力してお金を稼いでいれば、もっと良い感想になったと思いますが、この1年は「こんな感じか」という感想です。

大学生活には満足していますか?
短期留学のようなことがネックでしたが、今体験しているので、大学生のうちにやりたいことは大体やり切ったと思います。

あと1年の猶予がありますが、新たにやりたいことはありますか?
起業部とBiryokuは続けたいと思っています。大学生でないと申請できない助成金や補助金があるので、積極的に取りに行きたいです。まだまだやるべきことはありますが、大枠としては経験できたと感じています。

これから起業しようとしている方にアドバイスをお願いします。
アドバイスできる立場ではありませんが、アドバイスできる人たちに繋げることはできます。困ったら起業部に来てください。私よりもすごい人たちを紹介します。マインドとしては、とりあえずやってみたら良いと思います。失敗が怖いなら、一緒に失敗してくれる友達を探せば良いです。起業に興味があったり、迷ったりした時点で話を聞きに来てほしいです。しっかりとした理由や資料を揃えないと人に聞けないのはもったいないと思います。タイミングを待っているだけでは辛いだけだと思います。

起業部の宣伝でも何でもいいので、何か伝えたいことはないですか?
お子さんに面白いきっかけを提供したいなら、ぜひ起業部のことを教えてあげてください。全員が入れるわけではありませんが、知っているだけでも面白いと思います。保護者の方の方が、学生時代に起業などを経験しておけばよかったと思っている人が多い気がします。ぜひ起業部のことをお子さんに教えてあげて、選択肢を増やしてあげてください。

2回の休学理由を教えてください。
1回目はコロナ禍で参加したイベントで、休学・留学・起業をしている大学生との出会いが刺激になったからです。2回目は留学と起業部での活動のためです。

卒業後の予定は?
合同会社Biryokuの活動は継続しますが、就職も視野に入れています。今はエネルギーが分散しているので、何か一つに全力を注ぎたいと考えています。