微細塗布技術でライフサイエンスに挑む
取材日 2024年12月9日
Kadai SALON(会報第5号)
NTN株式会社
未来創造開発本部
要素技術開発部 ライフサイエンスG
森吉眞理子さん
(工学部 現:創造工学部 2018年卒)
『Kadai SALON(会報第5号)』の誌面に掲載しきれなかったインタビュー記事をご紹介します!
現在の仕事内容について教えてください
NTN株式会社(以下、NTN)で、微細塗布装置という技術を応用し、ライフサイエンス分野への用途探索を担当しています。NTNはベアリングのイメージが強いかもしれませんが、微量の液体を正確に塗布する技術を持っており、その技術をライフサイエンス分野で活用するための開発と実験を行っています。
具体的にどのようなお仕事をされていますか?
新しいテーマの探索が主な業務です。装置の設計、ライフサイエンス分野への応用に向けた開発、改良実験、実験結果に基づく装置の再設計など、多岐にわたる業務に携わっています。NTNの主要拠点は大阪、三重、静岡にあり、私は静岡の研究部門に所属しています。
香川ご出身ですか?
徳島出身です。就職活動では、勤務地よりも研究開発職への挑戦を重視したので、少し遠い場所に来ました。
就職を決めたきっかけは何ですか?
研究開発職に挑戦したかったのですが、学部卒では難しいと思っていました。そんな時、NTNの説明会で「やる気があれば学部卒でも研究開発職に挑戦できる」という言葉を聞き、入社を決意しました。福利厚生も重視しており、NTNは有給休暇の取得のしやすさや職場の雰囲気が良く、働きやすい環境だと感じています。
静岡には何人くらい社員がいるのですか?
静岡県内には工場は3拠点、そのほか私がいる研究部門なども含めて約3000人がいます。
徳島出身で、大学は香川、その後静岡に行かれたとのことですが、抵抗はありませんでしたか?
新しい土地への興味が強く、それぞれの場所で充実した生活を送っています。静岡は東京と大阪の中間に位置し、どちらにもアクセスしやすい点が気に入っています。
仕事のやりがいや苦労は何ですか?
開発中に様々な課題に直面しますが、それらを解決する過程で自身のスキルや知識が向上することにやりがいを感じます。まだ世に出ていない装置の開発に携わっており、将来的に社会貢献できる可能性を秘めていることにモチベーションを感じています。研究テーマが途中で中止になることもありますが、その過程で得たスキルは次のテーマに活かすことができると考えています。
研究職は成果が出ないとストレスを感じることもあると思いますが、いかがですか?
落ち込むこともありますが、NTNはオンとオフがしっかりしており、退社後は自分の時間を確保できます。ストレス解消にはジョギングを取り入れ、汗を流すことでリフレッシュしています。
社会人になって、気をつけていること、大事にされていることはありますか?
期限を守ることを徹底しています。特に社外とのやり取りでは、個人のミスが会社の信用に関わるため、細心の注意を払っています。プライベートでは、様々な趣味を楽しみ、夫とのキャンプ、友人との旅行、プロバスケットボール観戦など、充実した時間を過ごしています。
充実した社会生活を送られていますが、今後の目標、仕事において目指すべきところを教えてください。
現在開発中の装置を完成させ、市場に送り出すことが最大の目標です。将来的には、NTNのライフサイエンス事業を確立し、会社の新たな柱にしたいと考えています。
プライベートではいかがですか?
今後も様々なことに挑戦していきたいですが、学生時代と違って慎重になりました。やりたいことは一通りできたかなと思っています。最近は趣味の車を買いました。思い立ったらすぐ行動するようにしています。ダイビングの資格も取りたいですね。
香川大学で学ばれたことは、役立っていると思いますか?
大学で学んだ専門知識が直接的に役立っているわけではありませんが、研究室での経験、特に長時間にわたる実験や試行錯誤の経験は、現在の業務に不可欠な忍耐力や継続力を養う上で役立っています。
大学生活の経験で、役立っていることや今も続けていることはありますか?
様々なアルバイト経験が社会勉強になり、初対面の人と話すことへの苦手意識を克服し、プレゼンテーション能力を高める上で役立ちました。
香川大学でリクルーターをする際に、アピールするポイントは何ですか?
NTNの社宅制度や有給休暇の取得のしやすさをアピールしています。NTNはグローバルに活躍する安定した企業であり、海外で活躍したい人にも魅力的な会社です。
NTNは一般的にどのような方が向いている会社だと思いますか?
真面目でコツコツと努力できる人、そして主体的に行動できる人が向いています。
大学時代はサークルに入っていましたか?
軽音楽サークル「Bee」でキーボードを担当し、他学部の学生との交流を深めました。
大学のプロジェクトには参加していましたか?
瀬戸内国際芸術祭のプロジェクトに参加し、外国人観光客の案内や展示の説明を行いました。
留学経験があると伺っていますが
「できることは全てやっておきたい」という考えから、協定校訪問プログラムに参加しました。大学時代は、様々なことに挑戦し、充実した学生生活を送りました。
大学時代はどのようなアルバイトをしていましたか?
家庭教師、塾講師、焼肉店、居酒屋、うどん店など、様々なアルバイトを経験しました。研究室が忙しくなる3年生後半からは研究に専念しましたが、それまでは様々な経験を積むようにしていました。
大学時代にやっておけばよかったと思うことはありますか?
英語の勉強をもっとしっかりしておけばよかったと思っています。社会人になってからも英語を使う機会が多く、少しずつ勉強を続けています。
在学生、これから香川大学に入学する人に香川大学の良いところを伝えるとしたら?
工学部のキャンパスは新しく綺麗で、教授も親しみやすい人が多いです。困った時に相談しやすい環境が整っています。また、香川は暮らしやすい場所であり、特に高松は生活に必要なものが揃っていて、自転車での移動も快適です。
思い出に残る場所はありますか?
瓦町駅近くの居酒屋「林太郎」は私のアルバイト先で、こだわりの料理と温かい雰囲気で、思い出に残る場所です。
理系女子へのアドバイスをお願いします
研究開発から離れる女性は、育児などの理由が多いように感じます。研究開発の仕事に向いているのは、学ぶことを楽しめる人です。ワークライフバランスを重視できる企業を選ぶことが大切だと思います。
今後の目標は何ですか?
NTNのライフサイエンス事業を確立し、NTNといえばライフサイエンス分野でも知られるような会社にしたいです。
学生へのメッセージをお願いします
今しかできないことにどんどん挑戦し、自分の可能性を広げてください。