一覧を見る

香川大学SDGsアクションプラン
~豊かな未来社会の実現に向けて~

香川大学SDGs推進本部
2022年9月

基本方針

香川大学ビジョンTree2.png

■香川大学は、
「持続可能な地方分散型社会の実現に貢献する人材の育成と研究の推進」をビジョンに掲げ、知の拠点として地域の活性化・魅力化に貢献することをミッションとし、 50年先の将来世代が豊かに暮らすことができる社会の実現に向け教育研究活動を展開している。

「Sustainable Development Goals (SDGs) 」は、 2015年9月の国連サミットで採択された、2030年までに持続可能な、より良い世界を目指す国際目標であり、本学が目指す未来社会のあり方と方向性を一にするものである。

■このことを踏まえ、本学では、第4期中期目標期間(2022~2027年度)において、社会との共創の目標に係る計画の一環として、地域社会課題の解決に資するSDGsの活動推進を掲げ、以下の基本方針に基づいて、多様な取組を展開する。

  [基本方針]
  ①全学体制の下で、活動を把握し推進する。
  ②重点推進領域を定めるとともに、主要な課題に対応するプロジェクトを置く。
  ③学長戦略経費等を活用し、取組を積極的に支援する。
  ④取組の状況や実績を社会に発信し、ステークホルダーと共有・連携する。

推進体制

 ●学長戦略室の下にSDGs推進本部を置き、学内外の連携を強化するとともに、全体を統括する。

3P.png

 

推進支援


●学長戦略経費等の投入により、SDGsに関する取組を経費面で支援する。

4P.png

 

重点推進領域


●本学が目指す「持続可能な地方分散型社会の実現」に係るSDGsの取組を、3つの重点領域を定めて推進する。

ダイバーシティ
少子高齢化、情報化、グローバル化など社会環境が大きく変化している中、「持続可能な地方分散型社会」を実現するためには、多様性を尊重し、認め受け入れることが重要であり、香川大学においては、「D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)」の推進を第4期中期目標・中期計画における最重要課題の一つとして位置付けている。
SDGs達成にあたってもこの考え方は重要であり、一人ひとりの多様な個性や価値観、考え方を等しく尊重し、活躍できるよう、教育・研究・労働環境の整備や、意識の醸成、地域社会や国際社会との連携を推進する。

(主な関連するSDGs目標)icon_sdgs_01.pngicon_sdgs_04.pngicon_sdgs_05.pngicon_sdgs_10.pngicon_sdgs_16.pngicon_sdgs_17.png

カーボンニュートラル
気候変動は気象災害や食糧難など様々な問題を引き起こす国際的な課題であり、2021年11月にイギリスで開催されたCOP26(国連気候変動枠組条約第26回締約国会議)において、地球の平均気温の上昇を1.5度に抑える目標に向け、世界中で努力することが合意された。日本としても2050年までにカーボンニュートラルを実現するという目標を掲げている中、その達成には地域のエンパワーメントが不可欠である。
本学では、地球温暖化のさらなる進行防止に向け温室効果ガスの発生と吸収・利用を均衡させるため、省・蓄・創エネルギーに関連する課題を解決するとともに、気候変動適応に向けた多様な取組を推進する。

(主な関連するSDGs目標)icon_sdgs_07.pngicon_sdgs_13.png

サスティナブル ライフ
「持続可能な地方分散型社会の実現」にあたっては、さまざまな側面からのアプローチを考える必要があるが、なかでも健康や環境は、基盤となる重要な要素である。たとえば、香川においては、糖尿病の受療率や死亡率が全国有数となっており、あらゆる地域住民が健康長寿でいられるためには糖尿病を含めた生活習慣病等の対策が必要である。また、瀬戸内海には豊かな生態系が存在する一方、栄養塩類の適正管理などの課題も生じている。
このため、糖尿病を代表とする生活習慣病等の患者数の削減につながる健康増進、瀬戸内海の生態系保全等に向けた環境保全、持続可能な資源循環を推進する。

(主な関連するSDGs目標)icon_sdgs_02.pngicon_sdgs_03.pngicon_sdgs_06.pngicon_sdgs_08.pngicon_sdgs_09.pngicon_sdgs_11.pngicon_sdgs_12.pngicon_sdgs_14.pngicon_sdgs_15.png

 

 

重点推進領域とプロジェクト全体図

 

●3つの重点推進領域とつながる推進課題・推進プロジェクトを設定する。

6P.png

推進プロジェクト


●推進課題に対応する特色あるプロジェクトを多面的に展開する。


推進課題:ダイバーシティ&インクルージョン推進
ダイバーシティ&インクルージョン推進プロジェクト icon_sdgs_01.pngicon_sdgs_04.pngicon_sdgs_05.pngicon_sdgs_10.pngicon_sdgs_16.pngicon_sdgs_17.png

女性教員数の増加や教職員の職務環境・研究環境のさらなる向上を目指すとともに、学生に対するダイバーシティ教育を推進し、教育環境を整備する事業を実施する。 具体的には、研究者の育児支援、休日出勤時の託児事業の実施、女性研究者の研究支援、学生に対するD&I教育の実施、全学D&Iアンケートの実施による現状・実態の把握や課題の抽出・改善策の検討を行う。

 

推進課題:コミュニティ再生
地域課題解決のためのSDGs推進強化プロジェクト 
地域の多様な資源や課題を探求し、持続可能な社会の創造につながる取組を積極的かつ主体的に推進していく。そのため、「SDGs加速推進経費(地域課題解決型)」を新たに設け、地域(香川県)における課題解決に向けた取組を推進支援する。コミュニティ再生を主眼とした社会的インパクトが見込まれる取組を全学から公募・採択し、様々な視点、切り口から地域課題の解決に取り組む。

学生チャレンジ支援(SDGs枠)プロジェクト
本学では、学生の自主性、積極性、創造性等を高め、学生生活の活性・充実に資するとともに、大学や地域・社会の発展に貢献することを目的に、学生が行う魅力的・独創的なプロジェクト事業を支援してきたが、その中でも特にSDGs推進に関わるものを積極的に評価し、重点的に経費支援を行うことで、その活動の更なる充実・発展を図る。

 

推進課題:SDGs推進人づくり
SDGs教育プロジェクト
SDGsに関わる教育的課題を総合的に推進する。シンポジウムや研究会、講演会の企画実施、大学の授業等での教育プログラムの企画や支援、教材や教育プログラムの開発を行う。地域と連携した教育イベントや地域連携SDGs教育活動の実施を広げる。SDGsに関わる教育的課題の実践内容の情報交流と発信を行う。取組への学生・院生参加を軸にしながら、広く大学構成員・附属学校・地域の教育機関・地域住民の参加を広げる。

 

推進プロジェクト

 
推進課題:ゼロカーボンキャンパス
安全性・快適性と両立するゼロカーボンキャンパスプロジェクトicon_sdgs_07.pngicon_sdgs_11.png

新型コロナウィルス感染対策防止は極めて重要である一方、良質な教育研究環境の整備、省エネの推進も重要である。そこで、新型コロナウィルス対策と省エネを両立するデバイスの構築を目指すとともに、コロナ対策によって生じる空調機の消費エネルギー増加の実態を分析し、その緩和対策を検討する。

 

 

推進課題:資源再利用による脱炭素化
資源再利用による材料の高機能化と脱炭素化プロジェクトicon_sdgs_12.pngicon_sdgs_13.pngicon_sdgs_14.pngicon_sdgs_15.png

資源再利用により、高機能化と脱炭素化を両立させる新材料の開発と社会実装を目的とし、この実現のために、環境浄化や環境保護、環境ビジネスに関連する要素技術やノウハウを駆使してノベーションを創出するとともに、持続可能な地方分散社会の確立の足がかりとして、香川県内への社会実装を大学全学部が一体となって取り組む。

 

 

推進課題:瀬戸内環境・水資源持続性強化
瀬戸内圏環境資源研究イニシアティブ「スーパー珪藻資源化研究」プロジェクトicon_sdgs_07.pngicon_sdgs_13.pngicon_sdgs_14.png

極めて大きな光合成活性および増殖スピードを有する海産珪藻を用い、自然エネルギーを利用した屋外大量培養システムの構築に向けた試験研究を実施する。安定的な屋外大量培養を実現するための最適な諸条件を解明し、有価物質の生成および転換や水産生物への餌料活用など、脱炭素化を見据えた様々な事業分野への展開を目指す。

瀬戸内圏環境資源研究イニシアティブ「漁場環境持続性強化・実証研究」プロジェクト icon_sdgs_14.png

全国的に農林水産業の第6次産業化へのニーズが高まる中、香川県をはじめとする瀬戸内圏海域はもとより、自国管理水域における水産資源生産力向上と自給率を高める技術開発が急務となっている。人工魚礁の特許をベースに、AIIoTを駆使した新たな藻場造成技術および水産資源生産力向上システムの開発とともに、良好な漁場環境持続性を強化するための実証研究を展開する。


讃岐・瀬戸内発の水・物質循環デザイン研究の国際拠点形成プロジェクト icon_sdgs_02.pngicon_sdgs_07.pngicon_sdgs_11.pngicon_sdgs_13.pngicon_sdgs_14.pngicon_sdgs_15.png

香川県・瀬戸内地方は、ため池・里海が象徴する地域の知恵に基づき、自然と社会の持続可能な関係性を形成してきた。物質循環への人為的介入のもと大きな変動に直面する香川県・瀬戸内地方とアジアモンスーン域の社会に対し、本地域の経験と知恵を活用し、水・物質循環デザイン研究の国際拠点を形成する。里山と里海の水資源、水環境、食、エネルギー、物質循環、生態系や諸産業、防災等、SDGsに係る題材を広く取り上げる。

 

推進プロジェクト

推進課題:希少糖イノベーション
希少糖イノベーションの共創的価値化向上とエコシステム型の知の拠点形成プロジェクトicon_sdgs_03.pngicon_sdgs_12.pngicon_sdgs_14.pngicon_sdgs_15.png

産学官で共創的に希少糖研究を推進し、血糖値を上昇させない新甘味料や人や環境への影響がほとんどない次世代型農業資材等を事業化させるとともに、新しい医療応用や重金属を無毒化する建物資材としての利用等を見据えた希少糖研究を推進することにより、SDGsに基づく社会的ニーズを満たす。また、希少糖イノベーションを実践教育のモデルケースとし、独自性やイノベーションマインドの高い学生の育成に繋げる。

 

推進課題:地域モビリティ
持続可能な地域モビリティの実証研究プロジェクト icon_sdgs_09.png icon_sdgs_11.png 

香川県は多様な地理条件を有する一方、少子高齢化が進み、地域の状況に即した持続可能なモビリティ確保が急務である。そこで、関係行政機関と連携し、1)パーソナルモビリティを活用した移動サービスの提案、2)地域ニーズを反映した公共交通システムの再編、3)自律移動の実現に向けた技術実証、4)メタ認知をキーワードとするドライバの運転教育といった研究に取り組み、移動・輸送に関わる地域課題の解決に貢献する。

  

ポストコロナ時代の心と体の健康づくり
○包括的健康イノベーションの創出プロジェクト icon_sdgs_03.png
香川県の疾患罹患、予防医学的方策、医療環境の特異性を考慮して、今後の人生100年時代を支える包括的な健康イノベーションの創出を行う。具体的には、胎児期から老年期に至るまで、年齢層別の研究データを縦断的に結んだデータ基盤を作り、これらを用いて、将来の疾患罹患の予測モデル作りに取り組む。

 

情報発信


●本学のSDGsに関する取組を集約し、ホームページ等を通じて積極的な情報発信を行う。

action-plan.jpg

 

ロードマップ


●推進本部において、取組全体の進捗を把握するとともに、毎年度諮問会議へ報告し、計画の達成に向けたフォローアップを行う。

action plan11.jpg