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地球温暖化の進行により、落葉果樹の休眠打破に必要な冬季の低温遭遇が不足して、発芽不良などが発生する問題がナシなどで生じており、将来、モモでも同様の問題が発生することが予想されます。また、モモでは、果実発育期の高温による果肉の生理障害が近年問題となっています。
香川大学農学部では、低温要求量が少なく早生のモモ品種を育成するとともに、その活用について検討しています。低温要求量の少ないモモは、発芽や開花の時期がかなり早いため、収穫も早くなり、果実発育期に高温に遭遇して生理障害が発生するリスクが軽減されます。低温要求量が少ないことから、ハウス栽培でかなり早くからビニル被覆を始めることができ、ほとんど加温をしなくても早期の収穫が可能になります。亜熱帯地域など、世界各地の少低温遭遇地域での栽培にも適用が期待されます。これまでに登録した2品種(白肉の「KU-PP1」、黄肉の「KU-PP2」)は、低温要求量が日本の従来の品種の半分程度の約500時間(7℃以下)ですが、これよりさらに少ない200時間程度の品種の育成にも取り組んでいます。

担当者

別府 賢治
区分:教員
職名:教授
所属:農学部

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