農学研究科の教育理念

 香川大学大学院農学研究科は、生物がもつ多様な機能を探究し、応用生物科学領域の学術的展開を図るとともに、有用資源の創成や活用に関する応用技術の開発に向けた先端的かつ総合的な教育・研究を行い、生物資源の生産と利用に関する高度な専門知識と技能、課題探求と解決能力、及び実践的能力を備えた人材の育成と、国際水準の学術的研究を通じて広く地域社会への貢献を目指します。

農学研究科の3つのポリシー

ディプロマ・ポリシー(修了の認定に関する方針)

 香川大学大学院農学研究科は、その教育理念に基づき、生物科学を基礎とした、応用生物科学ならびに希少糖に関する高度な専門的知識と研究開発能力を備え、自然環境と調和した持続可能な社会の実現をめざす高い倫理性を備え、その社会的責任を自覚して国内外の広範な生物産業関連分野で活躍できる高度専門職業人を育成します。
 本研究科を修了し、本学が送り出す修士(農学)の身につけるべき能力・態度の到達基準は、以下のとおりです。

①専門知識・理解
*応用生物科学ならびに希少糖に関する高度な専門知識と先端の科学技術を理解・修得していると共に、高度専門職業人として幅広い知識と自の専門性に立脚した見識を備えている。

②研究能力・応用力
*専門分野において、自らの論理的思考に基づき研究を計画及び遂行する能力と共に、その成果を発信し議論できる能力を備えている。
*自然環境と調和した持続可能な社会を実現するため、科学的思考と判断力を持って地域社会や国際社会における希少糖を含む応用生物科学に関連する諸課題の解決に取り組むことができる。

③倫理観・社会的責任
*人類の生存基盤である生物資源の生産と利活用を進めながら、自然環境と調和した持続可能な社会の実現をめざす高い倫理性を備え、その社会的責任を自覚した高度専門職業人として自律的に行動することができる。

④グローバルマインド
*自然環境と調和した持続可能な社会を実現するため、希少糖を含む応用生物科学に関連する内外の情報を理解し、国際社会や地域社会における諸課題に対する自らの論理的思考及び判断を日本語及び英語で説明できるプレゼンテーション能力とコミュニケーション能力を備えている。

 

カリキュラム・ポリシー(教育課程の編成及び実施に関する方針)

 香川大学大学院農学研究科は,修了の認定に関する方針(ディプロマ・ポリシー)に示した人材を育成するため,大学院教養教育科目に相当する研究科共通科目として,基礎科目(3単位),希少糖共通科目(2単位以上),展開科目(1単位以上)を開設し,さらに専攻セミナー(3単位),専門科目(5単位以上),演習科目(14 単位)から構成される教育課程を編成・実施します。修了要件は,上記30 単位以上の修得,及び必要な研究指導を受けた修士論文の審査及び最終試験に合格することです。
 本研究科の教育体制の主な特徴は,1)応用生物科学の全分野において希少糖の研究教育が受けられると同時に,すべての分野で分野横断的な教育を実現するために1専攻4コース制をとっていること,2)食料,生命,環境,及び希少糖に関する高度で幅広い専門的知識と技能,自ら課題を見出し解決に向けて取り組む事のできる実践力,高度専門人材に求められる高い倫理性と協調性,国際・地域社会において求められる情報伝達能力を修得できること,3)最長12 ヶ月間,海外の大学または研究機関において行った研究や調査が国際演習として単位認定されること,4)複数の教員(主及び副指導教員)による徹底した修士論文指導を行うことにあります。
 農学研究科では,クォーター制を採用しており,すべての講義科目は1年次の第1から第4クォーターに配置されています。1年次は,基礎科目により,研究倫理,安全教育,情報リテラシー,英語によるプレゼンテーションスキルを身につけます。さらに,希少糖共通科目により,希少糖を題材として研究開発マインドと希少糖科学の先端研究を身につけます。また,各コースにおける専門科目により,応用生物科学に関する幅広い専門知識を理解・修得します。1年次から2年次にかけて開講される展開科目では,高度職業人として活躍するために必要な幅広い専門の知識や自ら高度職業人として社会で働くことの意義を身につけます。
 演習科目においては,1年次に「修士演習Ⅰ」で,主としてテーマの設定と遂行計画立案,研究手法について基本的な学修を行い,「修士演習Ⅱ」で関連する専門知識及びより高度な手法を修得します。研究方法及び研究結果を検討することを通して, 研究内容を深く考察する方法を修得します。2年次には「修士演習Ⅲ」で,I およびII の研究結果を背景に,設定した研究テーマをどのように完成するべきかについて再検討し,研究計画の更新を行います。研究の最終段階として,「修士演習Ⅳ」で研究課題の主旨・研究目的を確認し,研究全体として残される問題点を抽出し,これを解決する手法を修得します。また,研究のさらなる展開に結び付く戦略を検討し成果発表法についても学修します。
 以上の学修成果は,シラバスに記載している方法によって,各授業科目の到達目標の達成度で評価します。なお,カリキュラム・ポリシーに関係する教育課程については,カリキュラム・マップを用いて詳細に明示しています。

<研究計画の遂行に対する指導及び学位論文の評価>
 研究指導は,本研究科が作成する研究指導計画に基づいて実施します。1年次は,主として研究計画の策定,研究手法の修得,実験・データ収集を進め,さらに,研究を遂行する上での問題点の洗い出し,進捗状況の振り返りを行います。また,研究結果の考察を行い,研究の方向性を検討します。2年次は,主としてそれまでの研究結果を吟味し,主及び副指導教員との議論を経て,研究方法の評価・研究計画の更新を行い,これに基づき実験・データ
収集を進めます。また,成果発表法について学修し,関連学会等における発表を目指します。
 複数の教員による研究指導によって,課題解決のための作業仮説の設定とその検証方法の探索・決定,分析・解析を経て一定の結論を導き,これらを修士論文に取りまとめることを通じて研究能力・専門応用力を培います。
 修士論文は,本研究科の定める学位審査基準に基づき,本研究科で選出された審査委員(主査1名,副査2名以上,学外審査員を含むことができる)により厳格な審査及び最終試験を実施し,学位論文としての合否判定を行います。

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アドミッション・ポリシー(入学者の受入れに関する方針)

◇求める学生像(入学者に求める学力・能力・資質等)
 大学院入学までに以下のような学力・能力・資質等を備えている学生を求めています。

①知識・技能・理解力
*生物資源の生産と利用に関する大学卒業程度の基礎知識・技能・理解力

②思考力・判断力・表現力
*自らの論理的思考・判断に基づき生物資源の生産と利用に関する諸課題を説明できる表現力

③研究能力・応用力
*生物資源の生産と利用に関連する研究を遂行するための能力・応用力

④探求心・意欲・態度
*生物資源の生産と利用に関する諸分野について学び,研究することに対する高い志・意欲・態度と創造的な探求心

⑤倫理観・社会的責任
*自然環境と調和した持続可能な社会の実現をめざす倫理観とその社会的責任を理解できる能力

⑥グローバルマインド
*生物資源の生産と利活用に関連する国内外の情報を理解するための基本的語学能力とそれらを国際社会や地域社会の課題として捉えることのできる国際感覚


◇入学者選抜の基本方針
○一般選抜・社会人特別選抜 前期
 筆記試験の「専門」では進学志望領域の教員の専門分野から出題し,修学に必要な知識・技能・理解力,論理的思考力・表現力を評価します。「外国語」では英語を出題し,修学に必要な知識・理解力,コミュニケーションに必要な言語運用能力(グローバルマインド)を評価します。なお,社会人特別選抜では「外国語」を免除します。
 口頭試問では提出書類(成績証明書等)を参考にしながら,勉学・研究に対する探求心・意欲・態度,研究能力・応用力,自分の考えを論理的に構築し伝える思考力・判断力・表現力,及び持続可能な社会の実現にとって不可欠な倫理観・社会的責任を総合的に評価します。

○一般選抜・社会人特別選抜 後期,外国人留学生特別選抜
 プレゼンテーションでは卒業研究の内容と入学後の研究計画を口頭発表し,研究能力・応用力,思考力・判断力・表現力,コミュニケーション能力・発信力(グローバルマインド)を総合的に評価します。ただし,飛び入学希望者や卒業研究を履修していない学生等については,志望理由と入学後の研究計画の口頭発表により思考力・判断力・表現力,研究能力・応用力やコミュニケーション能力・発信力を総合的に評価します。
 口頭試問では提出書類(成績証明書等)を参考にしながら,修学に必要な知識・技能・理解力,勉学・研究に対する探求心・意欲・態度,自分の考えを論理的に構築し伝える思考力・判断力・表現力,及び持続可能な社会の実現にとって不可欠な倫理観・社会的責任を総合的に評価します。

○特別選抜(自己推薦方式)
 口頭試問では提出書類(成績証明書等)を参考にしながら,修学に必要な知識・技能・理解力,勉学・研究に対する探求心・意欲・態度,研究能力・応用力,自分の考えを論理的に構築し伝える思考力・判断力・表現力,及び持続可能な社会の実現にとって不可欠な倫理観・社会的責任を総合的に評価します。