地域の頭脳として外と内をつなぐ

千葉 今まで理系の話をしてきましたが、香川大学には人文科学系も含めた地域の総合的なシンクタンクとしての役割も担ってほしいと期待しています。当方の話で恐縮ですが、四経連会長就任後、私は四国の新幹線の実現に向けて一生懸命取り組んでいるところです。
 四国の新幹線の必要性や効果については、これまでのところ、関西の大学の先生から非常に積極的にご支援をいただいており、説明もしていただいているのですが、ぜひ香川大学を中心とした地域の大学で今後考えてほしいことがあるのです。それは、新幹線を導入した後の地域づくりについてです。新幹線が四国に入って来た後、四国をどのように成長させていくか。地域をどのように作っていくか。こうしたことは、四国の外ではなく四国の中で議論していかないといけない。やっぱり地域で「私たち自身がこういう方向で進めていくのだ」という理想を掲げ、新幹線を活用してぜひ実現していきたいですね。
 新幹線はずっと要望を重ねているのですけれど、なかなか国のハードルが高いのが現状です。しかし、いずれ方向付けはできると確信しています。香川大学には、その時に向け、ぜひ地域のシンクタンクとしての役割もお願いしたいのです。かつて瀬戸大橋開通の時には、香川大学にいらした井原先生を中心に瀬戸大橋効果についていろいろ研究されたということがありますが、今回は新幹線についてもよろしくお願いいたします。

田尾 私もひとつ提言がございます。先日NEDOフォーラムというイベントで、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の制度を使った方々が登壇されていたのですが、そのうちの一人が香川大学の学生だった時にベンチャー企業を立ち上げられた三宅徹さんでした。お話を聞くと、その後香川大学から次々ベンチャーが出たかというと「そうでもないのです」と。必ずしもベンチャーだけがいいというわけではないのですが、日本全国できっと若手で同じように活躍されている方がいらっしゃると思うのですね。

そういう方をうまく授業に取り入れていくと、学生さんにもアントレプレナーシップ(起業家精神)や、プレゼンテーションの重要性なども少しわかっていただけて、刺激になるのではないかと感じました。

長尾 「アドバンスト・セミナー」(写真C)というものをやっているのですが、その中で本学の先輩、自然科学の研究者だけではなく、社長さんに来ていただいて話を聞く機会を設けています。本学の先輩から聞く話には、学生も身を乗り出して聞いています。

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田尾 香川にはすごく情熱を持っている人も多いですよね。そういう方に協力していただくのもいいですね。
 先ほど、なるべく香川の地で残ってくれる人を増やすというお話もありましたが、香川だけだとある意味、井の中の蛙になるので、外に出て行ったり外から見る目を持つことも必要ですね。地域の魅力はずっとその場にいると分からないものなのかもしれません。私も香川に戻って来て「こういうところは他にはなかなかないのだ」ということが分かりました。外から見る目を得るには、自分が行くだけではなく、世界で活躍している若手に香川大学に来てもらい、発表してもらうのもひとつの方法だと思います。

長尾 外から見ると改めて地域の良さが分かるというご意見には賛成です。そのためにも学生にはさまざまな角度で社会や自分自身を見つめる視点を、大学は提供していかねばなりませんね。
 お二方には引き続き、本学の大学改革につきまして、今後ともご指導ご鞭撻をいただきますようお願いいたします。本日は長時間にわたって貴重なご意見をいただき、本当にありがとうございました。

香川大学長 長尾 省吾 、四国経済連合会 会長 千葉 昭 、産業技術総合研究所 四国センター所長 田尾 博明

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