DRI教育とは

「DRI教育」とは、新たな価値創造のための学士課程教育です。DRIとは、次の3つの言葉の頭文字です。

  • Design thinking:イノベーションを創出する「デザイン思考」
  • Risk management:レジリエンスやセキュリティ等に資する「リスクマネジメント」
  • Informatics:デジタル社会を生きるための「インフォマティクス」

本学は、第4期中期目標・中期計画期間において、持続可能な地方分散型社会の実現に貢献する人材の育成と研究の推進に取り組むことをビジョンとして掲げています。地域活力を維持・向上させるためには、イノベーションが必要とされます。そうした新たな価値を創造できる人材を育てるため、DRI教育を実施しています。DRI教育におけるD(デザイン思考)科目、R(リスクマネジメント)科目、I(インフォマティクス)科目の定義は、次の通りです。

  • D科目
    本学において、デザイン思考に含まれるとされる5 つのステップ(共感・問題定義・アイデア創出・具体化・検証)を広く捉え、「背景、前提の調査・問題発見・問題解決・検証」などの課題探求のプロセスに、学生が実践を通じて関与する科目をD 科目とします。

  • R科目
    「リスク(risk)」概念の中心を「人が行った行為によって被る損害(damage)の可能性すなわち確率」として理解したうえで、人の意思決定のあるなしを超えた災害、ハザードも考察の対象に含めるものとします。そのうえで、リスクの発見・定義・分析・評価・管理に関わる知識・技能を習得できる科目、および、グローバル化、デジタル化した産業社会がもたらすリスクの問題(レジリエンス、セキュリティ等に関わるものを含む)についての知識を習得できる科目をR 科目とします。

  • I科目
    「インフォマティクス(Informatics)」を情報学・情報科学・情報工学に関わる複合的な学問領域として捉えます。そのうえで情報学と統計学に関する知識・技能を習得できる科目、および、これからのデジタル社会を生きるうえで必要な知識(データサイエンス、ビッグデータ、AI、ICT、IoT 等)を習得できる科目をI 科目とします。

大学教育基盤センターでは、以下の三点の取り組みを通して、DRI教育の充実を図っています。

  • (1)DRI能力を育成するための基盤的教育
  • (2)より高度なDRI能力を育成するためのネクストプログラム(DRIイノベーター養成プログラム)
  • (3)DRI能力を育成するためのFDプログラム

(1)については、全学共通科目において新たにDRI能力育成科目を開設しました。また、従来の主題科目「課題発見・課題解決型授業」を更に実質化することにより、全学的なDRI能力の育成に努めています。(2)については、学習意欲の高い学生をターゲットとして「DRIイノベーター養成プログラム」を開設し、多様性理解力やチームで考える力を養います。

(1)と(2)の授業を行うためには、全学の教職員からDRI教育に対する理解と協力を得なければなりません。そこで(3)として、DRI教育やアクティブラーニングに関するFDを開催し、教員・職員・学生が一丸となってDRI能力の育成に取り組む環境を整備したいと考えています。

組織体制の整備として、大学教育基盤センターに「創造教育推進部門」を設置しました。創造教育推進部門の役割は、本センター内の能力開発部、地域教育部、数理情報・遠隔教育部を統括的にコーディネートしてDRI教育を全学的に波及・展開させることです。2018年10月1日付けで創造教育推進部門長を任命し、専任教員1名を雇用しました。さらに、学部等選出の委員・コーディネーター等から協力を得ています。

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  創造教育推進部門