DRI能力を育成するための基盤的教育

DRI能力を育成するための基盤的教育の目的は、より多くの学生にDRI能力を身につけてもらうことです。そのために、全学共通科目の主題Bにおいて「はじめて学ぶDRI」(2019年度以降)、「課題探求ベーシックス①~③」(2019年度以降)、そして「人を動かすロジカルコミュニケーション」(2020年度以降)という新たなDRI能力育成科目を開設しました。「はじめて学ぶDRI」はDRI教育における入門の役割を担い、「課題探求ベーシックス①~③」は課題探求の方法を学ぶ授業であり、そして「人を動かすロジカルコミュニケーション」はDRI教育のベースとなるロジカルコミュニケーションに関する授業です。

授業紹介

ここでは、新たに開設した5つのDRI能力育成科目についてご紹介します。

  • はじめて学ぶDRI(全学共通科目・主題B科目、第1クォーター、1年生から受講可能)

    「はじめて学ぶDRI」の授業の目的は、DRIを地域活性化にどのようにいかせるか、考え、説明することができるようになることです。この授業は、DRI教育の入門の役割を担い、DRIイノベーター養成プログラムの必修科目にもなっています。授業は、次のような流れで進んでいきます。

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    1. グループで地域課題を確認し、その解決策を考えます
    2. D・R・I それぞれの専門家が、D・R・I を地域活性化にどのようにいかせるかを説明します
    3. グループで、最初に考えた地域課題の解決策をDRIの観点から捉え直し、新たな解決策を考えます

    2019年度の授業

    受講者数は、約70人でした。人数にばらつきがあるものの、すべての学部から学生が参加していました。
    グループワークでは、6人あるいは5人で1つのグループをつくり12班に分かれました。

    グループワークの様子

    各グループは、次のような地域課題に取り組みました。

    若者のやりたい仕事がない/待機児童/地域医療の問題点/高齢化による農業の衰退/人口減少によって衰退する伝統工芸品・伝統芸能/国の支援を受けられない準過疎地域の活性/離島の人口減少/ダム地域の環境整備・自然保全・地域活性化・アーティスト育成/ 香川県のインバウンドへの対応/香川県の観光客を増加させよう/地方の観光地の活性化

    受講者の感想
    • DRIについて学ぶ前と学んだ後ではプランが大きく違っていて、自分の成長を感じることができました。(教育学部1年生)
    • DRIはこれからの地域社会の問題を解決するのに必要不可欠だと感じました。これから自分がそれらの問題を解決するにあたり、DRIを使っていきたいです。(法学部2年生)
    • これからの人生でDRIの観点から物事を見ることができるようになったと思います。また、これからの時代、DRIの観点から考えるのは、とても重要なことであると実感しました。(医学部1年生)
  • 差別とマイノリティ(全学共通科目・主題B科目、第2クォーター、1年生から受講可能、課題探求ベーシックス①)

    「差別とマイノリティ」は、「課題探求ベーシックス①」にあたります。この授業の目的は、日常から距離をとる態度、自分の中にある決めつけや思い込みから距離をとる態度を身につけることによって、マイノリティの人びとが抱えている問題を自分自身と関連づけて考察することができるようになることです。このことは、デザイン思考との関係でいうと、共感の技法を身につけることと同様です。

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    この授業では、LTD話し合い学習法(Learning Through Discussion)という小グループによる話し合いを中心に学習を進める技法を使います。LTD話し合い学習法は、課題文の予習と、予習をもとにした授業でのグループワークによって構成されています。課題文の予習は、筆者の主張を理解するという共感の技法を学ぶ手段にもなります。また、予習をもとにした授業でのグループワークは、他の受講者の主張を理解するという共感の技法を学ぶ手段にもなります。

    2019年度の授業

    受講者数は、約70人でした。グループワークでは、毎回グループを変更しました。これは、自分以外の様々な受講者の主張を理解するための仕組みでもありました。

    受講者の感想
    • 予習で自己と差別現象を関連づけるところがあったので、自分を見直すきっかけになって良かったです。また、LTD話し合い学習法のおかげで、グループで意見を交わし、新しい気づきを得たり、考えを深めたりすることができました。(創造工学部1年生)
    • 自分の意見を発信すると同時に相手の意見も入ってくるため、差別に関する理解がより深まりました。自分とは異なる視点からの意見が多く聞けて面白かったです。(医学部1年生)
    • 回数を重ねるごとに慣れてきて、人の意見を聞くことが面白くなってきました。また、今まで他人事として捉えていた差別の問題が、身近に感じることができました。(教育学部1年生)
  • マイノリティのライフヒストリー(全学共通科目・主題B科目、第3クォーター、1年生から受講可能、課題探求ベーシックス②)

    「マイノリティのライフヒストリー」は、「課題探求ベーシックス②」にあたります。この授業の目的は、マイノリティの人びとの多様な人生を知り、マイノリティの人びとが抱えている問題を自分自身に関連づけて理解し、そしてマイノリティ問題の具体的な課題を発見・見つけだすことができるようになることです。このように人やモノ等に対する見方や考え方を再構築し、適切な課題を発見することは、デザイン思考の共感から課題発見にいたるプロセスにあたります。

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    この授業では、ジグソー学習法というメンバーごとに担当を決めて教え合う技法を使います。この技法では、自分に割り当てられた知識をグループのメンバーに教える責任が生じるため、受講者の主体的な授業参加が促されます。また、グループの他のメンバーが持っている知識を理解する必要があるため、他者が伝えたいことを聴き理解するために必要な能力も身につきます。ちなみにもともとジグソー学習法は、異文化間の対立を克服するために開発された技法です。

    2019年度の授業

    グループワークでは、各グループで取り組みたいマイノリティ問題を決め、マイノリティの方々のライフヒストリーをもとにして、具体的な課題を発見しました。なお、各グループで取り組んだマイノリティ問題は、性的マイノリティに関する問題、障害者に関する問題、人種問題、精神病者に関する問題、いじめ問題です。

    受講者の感想
    • マイノリティの方々に関する授業は高校生までの授業でもありましたが、その人たちが自分の身近に存在すること、また、その人たちと自分との共通点について考えたことはありませんでした。この授業では、社会的な問題でニュースでも見かけるような内容を自身に置き換えて、その背景や感情などを知ることができ良かったです。(創造工学部1年生)
    • グループ発表に向けて、各自で論文などを読み、グループでそれらを共有することにより、コミュニケーション能力の向上や、問題について多角的な理解をすることができました。(経済学部1年生)
    • 調べている文献の中で、マイノリティの方へのインタビューを読むことによって、より具体的な問題について知ることができました。(教育学部1年生)
  • 社会デザインとマイノリティ問題(全学共通科目・主題B科目、第4クォーター、1年生から受講可能、課題探求ベーシックス③)

    「社会デザインとマイノリティ問題」は、「課題探求ベーシックス③」にあたります。この授業の目的は、共生社会について理解したうえで、マイノリティの人びとの視点に立ち、マイノリティの人びとが生きやすい社会のためのアイデアを出し、共感という技法にもとづいて社会をデザインできるようになることです。このことは、デザイン思考におけるデザインのプロトタイピングおよび検証のプロセスを身につけることと同様です。

    シラバスはこちら [PDF:459KB]

    この授業では、少人数グループによる課題解決型学習=PBL(Problem Based Learning)の技法を用います。課題を解決する過程で、基礎的な知識だけでなく、応用できる知識や知識を応用する力を身につけることができます。また、少人数グループなので、グループワークでは主体的な関与が必要となり、コミュニケーション能力を育成することができます。

    2019年度の授業

    グループワークでは、各グループで取り組みたいマイノリティ問題を決め、各自で調べたことや共生と社会についての学びをいかし、マイノリティの人びとが生きやすい社会をデザインしました。つぎに、それぞれの発表に対して、他のグループのメンバーがコメントをしました。最後に、これらのコメントをもとにして、改めて社会デザインを考えるレポートを作成しました。なお、各グループで取り組んだマイノリティ問題は、歩行障害者に関する問題と視覚障害者に関する問題です。

    受講者の感想
    • 1年間マイノリティについて学んできて(「差別とマイノリティ」「マイノリティのライフヒストリー」も受講)、自分が知らなかったマイノリティの方々に関することを知ることができ、マイノリティ問題について考える場を得られたことが将来にも役立つと思います。(創造工学部1年生)
    • この授業では、グループに分かれて、1つのマイノリティについて詳しく調べ、そこから共生社会、自分たちができることについて考えました。その中で、私がこの授業を受けるうえでの理由であった、将来教員になった時に役立つことを学びたいということが達成できて良かったです。(教育学部1年生)
    • コメントなどの機会も多く、良い学びになったと思います。質疑応答のシステムを取り入れるのは、自分では気づかないことを知ることができるなど利点が多くありました。(経済学部1年生)
  • 人を動かすロジカルコミュニケーション(全学共通科目・主題B科目、第4クォーター、1年生から受講可能)

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