香川大学 創造工学部 教授 山中 稔
- 専門分野
- 地盤環境工学,地盤防災工学
- 主担当コース
- 建築・都市環境コース
- 担当科目
- 土質力学Ⅰ・Ⅱ,構造・土質力学演習Ⅰ・Ⅱ,地盤工学,地盤工学実験
自己紹介・研究紹介
●地盤環境および地盤防災に関する研究
私たちの生活に身近な土(地盤)が関わる様々な地盤工学的課題について、地盤調査や数値解析によって解明しています。最近では特に、地域に根ざした課題である、ため池、城郭石垣、廃棄物等を取り上げ、学生とともに楽しく研究を進めています。
1)ため池堤体の地震時安定性の調査研究
ため池堤体が地震時に決壊すると、下流域に大きな被害を及ぼします。南海トラフ巨大地震を想定した、ため池堤体の地震時変形挙動を調査研究しています。
2)城郭石垣の健全性評価技術の開発
近世城郭において、老朽化により崩壊の危険性が高まった石垣が多く見られます。物理探査手法(常時微動測定や表面波探査等)により石垣部の地盤調査を行い、外観だけでは分からない、崩壊危険性の高い石垣箇所の抽出技術を研究しています。
3)廃棄物埋立地の力学的安定性評価
廃棄物最終処分場埋立地は、将来的な跡地利用上の課題とともに、地震時の力学的安定性も懸念されます。そこで、より安全安心な埋立地に向けた研究に取り組んでいます。
Message
-受験生の皆さんへ-
庭先でどろ団子を作ったり、公園で砂山を作ったりと、土で遊んだ記憶があることと思います。高校地学では、土は地層や地表の一部の特性としか学びません。しかし、土は、家の基礎を支えたり、道路の材料となったりと、私たちの日々の生活に重要な役割を果たしています。人間活動に関わる土の範囲を地盤といいます。
この地盤の多くは、わが国では河川の堆積作用によって形成されています。地盤を構成する土は、粒径により礫、砂、シルト、粘土等と呼ばれますが、粒径の違いや、層になって堆積することにより、様々な物理的性質(姿)や力学的特性(性格)を有しています。地盤の性質や特性は、地域によっても大きく異なります。同じ平野の中でも変化します。
地盤は、日ごろはどっしりと安定してます。しかし、大雨が降ると地盤は強度が低下して、山間部では斜面崩壊や土石流などの土砂災害を引き起こします。雨が比較的少ない香川ですが、近年は集中豪雨が多発しており、土砂災害発生の危険性は高まっています。また、地震時には、地盤から水が噴き出す液状化現象が発生し、建物が傾いたり、道路に段差が生じたりと、地盤は都市部でも災害を生じさせます。
土(地盤)を学ぶことは、地域の災害特性を知ることに直結します。地盤防災や地盤環境に関する知識を、是非とも香川大学で学んで欲しいと思います。
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