「出張体験授業、光に反応する高分子を実感しよう」坂出高校で実施しました
2025年10月16日(木)
香川県立坂出高等学校
社会実装されている材料のしくみを身近な例に結びつけて学ぶアウトリーチ授業の一環として、10月16日に坂出高等学校にて体験授業を実施しました。学生講師の石渡祥子さん(原研究室・修士1年)が講義を行うとともに、光で樹脂が固まる「光重合」や、光を当てると材料の色が変わる「フォトクロミズム」を、実験を通して高校生のみなさんに体感していただきました。

授業内容
実験1:光重合
コンタクトレンズ、半導体製造、3Dプリンタ、歯科材料などに用いられる技術です。モノマーや架橋剤の種類や組成比を変え、光照射により分子が結びついて樹脂が固まる過程を観察しました。同じ原料でも組成比によって樹脂の力学物性や溶解性が大きく変わることを実感してもらいました。
実験2:フォトクロミズム
光照射により分子構造が変化して色が変わる現象を体験しました。紫外線チェッカーや調光レンズなど、身近な応用例も紹介しました。
大学院生との座談会
石渡さんから、材料コースを選んだ理由、現在取り組んでいる研究の一端、高校で学ぶと将来役立つ基礎科目について、現役大学院生の視点で講演してもらいました。
参加生徒の反応(抜粋)
「ジェルネイルにも応用されている技術のしくみを知り、化学が身近に感じられた」
「色が変わる瞬間が見えて面白かった」
企画のねらい
材料・化学の基礎現象を「見て・触れて・考える」ことで、科学的なものの見方と進路選択のヒントを提供することを目的としています。学びと社会実装をつなぐ創造工学のエッセンスを体験できるプログラムです。
学生講師の感想
高分子に関する体験授業を担当させていただきました。高校生の皆さんに、高分子がどのように社会で活用されているのかを体感していただく貴重な機会となったのではないかと感じています。
授業では、私自身の体験談も交えながら、「なぜ香川大学の材料物質科学コースに進学したのか」についてお話をさせていただきました。内容をまとめる過程で、なぜ自分がエンジニアを志し工学部に進学したのかを改めて思い出し、「初心忘るべからず」という言葉を身にしみて感じました。
今回の体験授業を通して、化学や高分子の面白さが少しでも伝わっていれば嬉しいです。
創発科学研究科1年生 石渡祥子(いしわたり しょうこ)
謝辞
本企画の実施にあたり、受入れのご準備とご協力を賜りました坂出高等学校の吉原先生、ならびにご参加いただいた生徒のみなさまに、心より御礼申し上げます。
指導教員:准教授 原 光生(はら みつお)









