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磯田恭佑 講師らの研究が ACS Publications社の電子ジャーナル”ACS Applied Materials & Interfaces”のSupplementary Coverに選出されました。

 2019年2月28日に、ACS Publicationsより刊行された”ACS Applied Materials & Interfaces”誌に、磯田恭佑(創造工学部創造工学科先端マテリアル科学コース 講師)の研究論文が掲載され、本誌のSupplementary Coverに選出されました(図1)。

題名:Stimuli-Responsive Room-Temperature N-Heteroacene Liquid: In Situ Observation of the Self-Assembling Process and Its Multiple Properties
著者:Kyosuke Isoda,* Tatsuya Ishiyama,* Yuichiro Mutoh, Daisuke Matsukuma
雑誌名:ACS Applied Materials & Interfaces, 2019, 11, 12503-12562.

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           図1. 採択されたSupplementary Cover(富山大学石山先生との共作)

 磯田講師らは、N-heteroaceneの一種であるdibenzophenazineを基幹骨格とした刺激応答型発光性液体材料を開発しました。さらに、刺激応答により起こる物理化学現象を実験および計算化学的なアプローチにより、解明しました(図2)。


22.jpg                       図2. 本研究の概要図

 本液体は、ガラスペンなどにより様々な基板に文字等を書くことができる、「発光性インク」として使用可能です(図3)。また、この液体は塩化水素蒸気に触れさせることで、発光色が水色から橙色へと劇的に変化する「刺激応答型発光性液体」として機能します。さらに、同時に「粘弾性」や「粘度」なども変化するため、一つの刺激で複数の物理化学特性が大きく変化する、これまでに報告例のない「機能性液体」であることを明らかにしました。

33.jpg          図3. 様々な基板での印字(上段:室内照明下、下段:ブラックライト照射下)

 この研究での物理化学的な現象は「無秩序-秩序相転移」であり、実験的アプローチにおいて解明できましたが、その時の時間スケールは秒で、空間スケールはマイクロメートル(10-6 m)のみでした。さらに本研究では、この「無秩序-秩序相転移」をより理解するために、MD(分子動力学)シミュレーションによる計算化学的アプローチも行いました(共同研究者である富山大学 石山達也先生による研究結果)。MDシミュレーションでは、時間スケールはナノ秒(10-9 秒)からマイクロ秒(10-6 秒)、空間スケールはナノメートル(10-9 m)での研究です。したがって、実験および計算化学的アプローチにより、「無秩序-秩序相転移」を様々な時空間スケールで解明することに成功しました(図2)。液体材料を実験および計算化学的アプローチにおいて研究を行った例は世界でも初めてのことであり、今後大きな波及効果が期待できる研究内容です。
 また、本材料はこれ自体が液体であるため、分散用の有機溶媒が不要である「環境低負荷型塗料」として使用することが可能である。さらに、印刷用インクとしても使用可能であるため、紙幣の偽造防止技術等への応用が期待されます。

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