表面波探査公開実験報告 (2004.4.19)

~新しい住宅 地地盤調査方法の公開実験について~

香川大学工学部 安全システム建設工学科 長谷川修一・山中稔

 21世紀前半に発生することが懸念されている南海地震では、地盤の液状化や人工造成地盤の盛土の沈下や地す べりによって、多くの住宅被害が発生すると予想されます。このため、住宅の耐震性を高めるだけでなく、地盤災害の軽減対策も重要な課題です。

 地盤を調査する方法として、ボーリングおよび貫入試験が一般的ですが、費用がかかるため、住宅地の調査には 不向きです。そこで、香川大学工学部の長谷川修一教授と山中稔助手は、地震波の一つである表面波に注目して、平成16年度の四国建設弘済会の研究開発助成 をうけて、地震波の一つである表面波探査による地盤評価の共同研究を、高松工業高等専門学校、応用地質㈱、㈱四国総合研究所と進めています。

 公開実験を、平成16年4月16日、香川県さぬき市の大規模宅地造成地であるオレンジタウン内で実施し、報 道関係者、地質調査会社、土木関係者など約80人の見学がありました。公開実験では、掛矢(木槌)で地面を打撃して、高精度表面波探査装置によって盛土地 盤のS波速度構造をその場で解析しました。見学者は、本調査の簡便性、作業性、調査費の安さに驚き、また公開実験後の室内説明会においても熱心な質疑応答 が行われました。なお、研究グループでは、年度内にため池埋立地、堤防、ため池の堰堤、活断層等に本手法を適用して、その有効性を検証する予定としています。

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