工学部初学生ベンチャー企業の立ち上げ (2004.12.25)

  香川大学工学部(石川浩学部長)の学生、浅尾文善さんが撥水撥油防汚処理技術を販売する学生ベンチャ-企 業、(有)かがわ学生ベンチャーを平成15年12月に立ち上げました。
この技術は、同学部の小川一文教授が同大学で開発した撥水撥油防汚性単分 子膜形成技術を基にしており、金属、セラミックス、木材、繊維、毛皮、皮革製品等を、それら本来の光沢、色調、風合いを何ら損なうことなく撥水撥油防汚処 理できる技術です。

  この度、自社製品の撥水撥油防汚処理を希望する企業に、加工ノウハウの提供および加工用の薬剤の販売を目的 に起業しました。香川大学での学生ベンチャーは初めてです。

  社長に就任する浅尾さんは、香川大学工学部知能機械システム工学科の4回生です。技術顧問には、小川教授が 就任する予定です。

  新会社は、資本金30万円でスタートし、本社を高松市太田上町に置きます。小川教授が自ら出願中の撥水撥油 防汚処理技術特許(複数)の専用実施権を取得し、それら特許を維持管理します。また、撥水撥油防汚処理を希望する企業に再実施権を許諾し、ノウハウの指導 と共に薬剤の供給を行います。この薬剤は、特殊な界面活性剤と、触媒と、非水系有機溶媒からなり、この薬剤を空気中で基材表面に接触(塗布等)させて乾燥 させれば、室温で空気中の水分と反応して基材に共有結合した被膜を形成できます。したがって、特別な設備を全く必要とせず、各種製品を低コストで大量生産 できるというメリットがあります。

  この技術により、自社製品の撥水撥油防汚処理を希望する企業は、極めて簡単に、それぞれの素材表面にフッ化 炭素系分子を化学反応させ、厚さ数ナノメ-トルの撥水撥油防汚膜を形成できるようになります。なお、この被膜は、最表面にCF3基が並ぶため、臨界表面エ ネルギーは8mN/m(テフロンの約半分)程度になり、撥水撥油性はテフロンより優れています。当面の対象基材は、繊維製品や毛皮・皮革製品、セラミック 製品でありますが、将来は、プラスチック、石材、木材等、各種建材への応用も展開していく予定です。

  技術提供先は、当面引き合いがある、県内の繊維製品会社、皮革製品会社、セラミック製品会社からスタート し、薬剤の販売は、それぞれの企業仕様に合わせた受注生産に特化することで、次年度から黒字をめざします。なお、この技術の用途は無限に考えられますの で、今後、事業化と並行して新たな用途開発を推進していくつもりです。また、同情報の発信のため、ホームページを開設の予定です。
 

------  工学部初学生によるベンチャービジネス立ち上げ記者会見 -----
  工学部は、平成15年12月25日(木)香川大学工学部(石川浩学部長)の学生、
浅尾文善君が工 学部初の学生による撥水撥油防汚処理技術を販売する学生ベンチャー
企業「(有)かがわ学生ベンチャー」を立ち上げた記者会見を実施しました。記者 会
見には、石川浩工学部長をはじめ、三原豊広報室長、小川一文教授、浅尾文善君が同
席しました。

  事業内容は、自社製品の撥水撥油防汚処理技術を希望する企業に、撥水撥油防汚処
理加工ノウハウの 提供および加工用の薬剤を販売することです。

  この技術は、本学部の小川教授が開発した撥水撥油防汚性単分子膜形成技術を基に
しており、金属、 セラミックス、木材、繊維、毛皮、皮革製品等をそれら本来の光沢、
色調、風合いを何ら損なうことなく撥水撥油防汚処理できる技術です。

  記者会見には、報道関係者が多数集まり、活発な質疑応答が行われました。
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左側から小川教授、浅尾君、石川工学部長、三原広報室長

 

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